４月：新生活 ページ10
新しい生活が始まって、
仕事も覚えてきた。
最初の頃、というか介護の資格を取るために実習に行った頃、空いた時間があって職員さんに「コミュニケーションでも取ってて」と言われたきり放り出されて…
とりあえず目の前にいたハルモニに話しかけてはみたけど、最初だしコツもわからないし話が続かなくて…
こんなんで仕事としてやってけるのかな…と不安だったけど、一年前に生徒達の前でも同じだったんだから…と自分を奮い立たせて、根気よく続けてるうちになんとか慣れてきた。
初めの頃、素っ気なかったハラボジも、音楽レクで私が古い民謡や歌謡曲をピアノで弾くと興味を示してくれて、その後、自分から話しかけてくれたり。
まあ、最初のしんどい時を支えてくれたのはソクジニオッパが毎日電話で愚痴や弱音を聞いてくれたからなんだけども。
JN「そんな弱気にならないで〜…
まあ、仕事がなくなったら僕んとこに永久就職したらいいよ…ってひゃひゃ…」
『…えー…(嬉しいけど今言う？)』
「…それくらい気楽に構えて接した方がいいよ？ってこと。相手の生活してる所に入らせてもらうんだから、最低限の礼儀さえちゃんとしてたら、Aちゃんはそこは問題ないから大丈夫だって！
自分のハルモニやハラボジだと思って話しかけてみな？」
『…うん…ありがとね』
「ちょっとは長く生きてるんだから、こんな時こそ頼ってよ？」
『うん…』
デートは本当は毎週日曜日…にしたかったんだけど、平日の疲れを取るのにいっぱいいっぱいで、月２回会うのがやっとだった。
そのデートも…出かけたいのはやまやまだけど、近場だと生徒に会わないか(何もやましいところは無いし、堂々としていいんだけどなんとなく)私が気にしちゃって…
結局、遠出して疲れるか、オッパの家で映画でも見るかオッパがゲームしてる横で(私は退屈するから)オッパのキーボードをぽろぽろ弾いて練習するか…みたいな日曜になっちゃって。
私たち、付き合うことになったのに、実はその…アレからご無沙汰な健全なお付き合いをしてます。
私も疲れてるし、普段は特にそういう欲も起こらないんだけど…家でのんびりデートしてるとさすがに…ちょっとね…
キスやデート終わりにハグはするから欲求不満にはならないけど。
(自分からあんなことした私が言うのも何だけど)
オッパはその…大丈夫なのかな。
私たち、最初があんなだったのに…
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作者名：Lavandula | 作成日時：2022年8月13日 11時
