ユンギ先生との時間 ページ4
10月の半ば、中間テストが明日で終わるという日。
放課後、私のギターのテストが行われた。
この一ヶ月、学校でだけしか(しかも一日一時間)練習出来てなかったけど。
結果は…一か所だけ止まってしまったけど、なんとか弾き終わった。
『…どうでしょう…？』 恐る恐る尋ねる。
YG「ん…まあ、いいだろ。合格」
『やったあ！ありがとうございます！』
「これからも時々弾けよ？」
『う…努力します』
「…でだな」
ユンギ先生が身を乗り出した。
狭い机でそんなことされたから顔が近くなって、反射的に身を起こした私の背中に椅子が当たった。
ちょっと緊張する。
『…な、何ですか』
「ご褒美に…」 何を言われるんだろう。
『ご、ご褒美？』 誰が誰に？
「…何か歌え」 ユンギ先生は姿勢を戻した。
ちょっとホっとしたけど。
『…私の歌が先生のご褒美になるんですか？』
「…ん。歌ってるの、ちゃんと聞いたことないし」
『…はぁ。何、歌いましょうかね…
ってかそれだったらちゃんと準備するんで、前もって言ってくださいよ？』
「…準備が必要なのかよ、毎日授業で歌ってるくせに」
『なっ…！でも今日、テストで歌ってません』
悪うございましたね、
声楽家たるもの(出身として！)人様に聞いてもらう時は(そうでない時もちゃんとしなきゃだけど)それなりの準備(発声練習とかね)が必要なんですよ…！
…って言ったら。
「わかったわかった。こないだまで学生だったんだし大丈夫だろ？」
『まあ…いけますけど。
…ってかユンギ先生が伴奏弾いてくれるんですか？
わぁ、ご褒美だ〜♪何にしよっかな…
イタリア歌曲とかでもいいですか？』
「…おぅ。声楽科の基本だな。懐かしいわ」
ユンギ先生の伴奏で、教科書にあったイタリア歌曲を歌った。
私が歌い始めたとき、先生が目を見開いてちらっとこっちを見た気がする。
「…おぉ〜…」 パチパチパチ…拍手してくれた。
「ソプラノだな…歌うと高いんだ」
『…そーなんです。私、地声低いから』
「ふぅん……これは面白い」
何かひらめいたらしいユンギ先生に、早々に音楽室を追い出された。←
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Lavandula(プロフ) - れいんさん» ご報告、ありがとうございます。編集してみましたが、変換出来てるでしょうか？ (2022年7月8日 2時) (
レス) id: a48b55d763 (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - (名前変換できないみたいです💦) (2022年7月7日 22時) (レス) id: e390563a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lavandula | 作成日時：2022年6月24日 12時
