十話 ページ10
やばいやばいやばいやばい…
一時間前のことを思い出してみたら、思わず鳥肌が立った。
＿＿＿『貴方に利点はありますか？』
「バッカじゃないの私…」
そもそも友達とは利用する為になるものでは無い。互いが互いに気を許したり親しい事を前提とした人間関係であり…いや、友人関係では無いけどさ。
けれども知り合い以上友人以下だとしても、あの言い草は無い。我ながら大失態、大失言である。多分私の人生の中で上位に食い込むくらいの。
後で謝罪のメール送った方がいいよね…絶対そうだ。
「にゃぁん」
「…あ、先生」
ベッドへとへろへろになりながら横たわると、猫の鳴き声が聞こえてきた。
「はー…もう癒しせんせーしかいない…」
先生。つまり私の飼い猫なのだが、この猫は私と同じく動くのが嫌いな為現在デブ猫である。そして私の引きこもり生活の中で数少ない癒しだ。
10分くらい、お人形さんのように先生をぎゅっとして堪能していると、ぴろろろ、と本日二度目の携帯の着信音が寝室に鳴り響いた。
「…」
誰だ私の先生タイムを邪魔する者は。
「…もしもし」
私は不機嫌そうな声色で電話に出た。いつもより声が低めなので、誰から聞いてみても機嫌が悪いというのは明らかだろう。
『随分と不機嫌そうだな』
「うげっ」
しまった不機嫌アピールする人を間違えた。この人にだけはやってはいけない。
「ごめんなさいおっちゃん…だって先生が」
『はいはい先生タイムだったんだな』
おっちゃん…つまり、バーのおっちゃんからだ。おっちゃんだけは怒らせてはいけないのに…何故携帯を確認しなかったんだ私。
内心冷や汗ダラダラになりながらおっちゃんの言葉を待つ。バーに立っている時のおっちゃんは見た目も中身も温厚そのものなのだが、昔一度だけ怒らせたらガチ切れしていた。怒りの矛先は私ではなかったが、向けられた相手は…とっても可哀想だった。相手に滅茶苦茶同情する程だった。
つまり怒られたらやばい。この人は怒らせてしまったらいけない。以上。
『はぁ…たまには先生を散歩させたらどうだい』
「え、先生？」
『そう。散歩がてらこっちにおいで』
「でも今日って確か…」
『確かに店は休みだけど、アレが直せたんだよ』
「…
『そう。丁度いいし、今日おいで』
確かに今日は店の定休日だし、丁度いいかもしれない。
そうか…とうとうアレが直ったのか。なら行くしかないな。
「先生と一緒にそっちに行く」
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メランコリスト - Whiskyさん» 個人的にもスコッチさんは好きだったので生かしました。最後までご覧下さりありがとうございます。楽しんでもらえたのなら作者として嬉しく思います。 (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
Whisky - やっぱりヒロは生きてたんですね！押しなので嬉しいです。すごく面白かったです。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: e4b3f2a326 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - まゆさん» この作品を見て下さりありがとうございます。続きが気になってもらえるとは…これからも面白いと思ってもらえるよう頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月14日 19時) (レス) id: 35cf1a0a87 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - 氷雨さん» まさか応援コメが来るとは…ありがとうございます。ご期待に添えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 2時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メランコリスト | 作成日時：2019年8月11日 15時
