三十八話 ページ38
「…早く言えば良かったのに…」
「お姉さん怒るだろ、それにこうなったとしても巻き込みたく無かったんだよ」
いやそれはいいが江戸川、素なのか知らないが口調がいつもと違うぞ。…指摘したかったが、やめた。今気にする事じゃない。
「仕方ない、タクシー乗るしか…！」
私達は丁度家を出て、ある人物の元へ向かう為走りだした。体力だけはちょっとはあるとは言ったものの、足が早いわけでも無いので少年の乗っているスケボーには速度は劣る。
「お姉さんお金持ってたっけ！？」
「…無い、家に財布置いた…取りに行ってくる」
「いや、大丈夫！沖矢さん、もう出てきて大丈夫だよ！」
え？と驚く間も無く近くの垣根から出てきたのはいつぞやの茶会仲間だった。…あれ何であんたここにいるんだ。
「コナン君に何かあったら、と思いまして」
心を読んだのか勝手に答えた沖矢さんは私の隣を並走していた。さりげなく発言に悪寒がしたのは気のせいだろうか。けれどもそんな事を考えている暇はない。そもそも苦手(子供)×苦手(やたら誘う人)に挟まれたり、いつもより体を動かしていたり、そもそも誰かとこんなに話す事さえ珍しくてもう嫌になっているのに。
でもそんな弱音を吐いている暇はないのだ。
「沖矢さんごめん！タクシー乗せて！」
江戸川がそう叫ぶと、沖矢さんは手を挙げて丁度近くにいたタクシーを呼んだ。…え、まさかこの子沖矢さんにタクシー代払わせる気では？
そう思っていると案の定、沖矢さんは財布を見せた。あ、やっぱり沖矢さんに頼るのか。
タクシーに滑り込んだ私達は…いや、というか私は息切れを起こして肩を上下に動かした。江戸川はスケボーだったけど何で沖矢さんは汗一つかいてないんだ…300メートルは走ったんだぞ？
「大丈夫ですか？」
「何で…ハァ、平気…なの、ハァ…」
「お姉さんもう少し動いた方がいいよ」
るっせ。余計なお世話だそりゃ。つーかこの距離を全速力で走って息切れしてない方がおかしいのにそんな可哀想な目で見るな。
「あのー…お客さん、どちらまで？」
…そういえばそうだった。あそこはこの中じゃ私しか知らないんだった。
「…隣町の…地下バーまで」
＿＿＿『お姉さんはあの人達の居場所、知ってるのかなって思って』
はい？と内心首を傾げる私に、江戸川は説明を続けていた。
「…あのね、落ち着いて聞いてほしい」
先程の江戸川は、確かに告げたのだ。
「藤堂さんと山江さんがどっちも行方不明になったんだ」
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メランコリスト - Whiskyさん» 個人的にもスコッチさんは好きだったので生かしました。最後までご覧下さりありがとうございます。楽しんでもらえたのなら作者として嬉しく思います。 (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
Whisky - やっぱりヒロは生きてたんですね！押しなので嬉しいです。すごく面白かったです。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: e4b3f2a326 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - まゆさん» この作品を見て下さりありがとうございます。続きが気になってもらえるとは…これからも面白いと思ってもらえるよう頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月14日 19時) (レス) id: 35cf1a0a87 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - 氷雨さん» まさか応援コメが来るとは…ありがとうございます。ご期待に添えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 2時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メランコリスト | 作成日時：2019年8月11日 15時
