二十五話 ページ25
ある程度金を手に入れ満足したのか、「車の鍵を寄越せ」とお客さんから強奪した車のキーと私を乱暴に引きづって外へと連れ出した。待ってその連れ方だと肩痛い。後ろに手を縛られてるから腕上げると滅茶苦茶痛いんだよチキショー。
しかしスムーズに時間を掛けずに車まで金や私を後ろに詰め込むところを見ると、ホントに手馴れてるんだなって思う。
…運転席に座っている男をサイドミラー越しに見てふざけんなと思ってしまうのは仕方の無い事だろう。
誰が喜んでこんな厳つい男と二人っきりでのドライブをするだろうか。
マスクを取った男は鋭い眼光で前を睨みながら運転していた。
「…あの」
「あ？」
ねえ待って、怖いからそんなに睨まないで。
「どこに連れてかれるの」
「…依頼主ンとこだよ」
は？依頼主？
「…説明しろ」
「あァ？口の聞き方に気を付けろガキが」
こいつ殴ってもいいよな？
ガキ、と言われて咄嗟にそんなことを思ってしまった私は悪くない。誰がガキだ、誰が。どこ見て判断しやがったこいつ。
「…あんたが私の前でマスクを外したから、てっきり口封じに殺すのかと」
そうすると思ってたけどまるでどこかに連れてかれるようにドライブするもんだから、思わず質問したんだよ。と口答えしたかったが私は大人だから落ち着け、と言い聞かせて言わないでおいた。私はもう今年で20歳なのだ、落ち着け落ち着け。
…にしても殺さないのか。映画の見過ぎかな…
「殺したら金貰えなくなるだろうが」
…この強盗は口封じに私を殺すか、それとも身代金目当てで連れてったのかと思ったが…どちらでもないとは。…にしても、依頼主？どういうことだろうか。私を攫う理由が分からない。ただの引きこもりだぞ？何の利用価値があるのだろうか、人質では無いというのなら。
「人違いだと思うが」
「目の下の隈が酷え黒目黒髪のチビっつうんだから間違いねえよ」
それなら店のお客さんの中には…うん、いなかったな確か。その外見に該当するの私だけだな。
「逆に、こんな状況でも冷静なアンタだからこそあいつらの言ってるヤツだって確信したよ」
「そりゃどーも」
これでも内心いっぱいいっぱいなんだが。…それに、割とお喋りなんだなこの男。“あいつら”という事はその依頼主は複数人で行動するって事だ。
だからと言って何か分かる事は無いのだが。
「…ん？なんだ…ハンドルが重いな…」
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メランコリスト - Whiskyさん» 個人的にもスコッチさんは好きだったので生かしました。最後までご覧下さりありがとうございます。楽しんでもらえたのなら作者として嬉しく思います。 (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
Whisky - やっぱりヒロは生きてたんですね！押しなので嬉しいです。すごく面白かったです。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: e4b3f2a326 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - まゆさん» この作品を見て下さりありがとうございます。続きが気になってもらえるとは…これからも面白いと思ってもらえるよう頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月14日 19時) (レス) id: 35cf1a0a87 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - 氷雨さん» まさか応援コメが来るとは…ありがとうございます。ご期待に添えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 2時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メランコリスト | 作成日時：2019年8月11日 15時
