三話 ページ3
私はちゃんと覚えていた。ポアロに顔出ししろ(要約)という安室の脅迫(？)を。…しかし気分的に何となく行きたくなかったのでそれを一週間くらい放置していた。まあそもそも一回しかあの店には行っていないのだ。…それにしばらくすれば安室という男も私のことも忘れるだろう。私いつも黒いパーカーに黒いズボンだし、髪は後ろに束ねただけだし、前髪は目にかかるほど長いし…ってなんか黒いっぱいだな私の服。地味もの選ぼうとした結果だろう。
…そういえば今、あの男はポアロでバイト中かな。
別に気になっているわけではない。…というかそもそも遭遇率が異常に高いことを除けば、どんなに顔が整っていても特に興味も湧かない。
今あの男のことを考えた理由だが、実は訳があって図書館に行きたいのだ。…いや流石に私を尾行するとは考えづらいし今は勤務時間だし、私がいつも通っているスーパーと図書館は真反対の方向にあるので会わないだろうし。
それでも不安にはなるものなのだ。
なので一応マスクをして私は図書館へ行った。だが安室対策も無意味で、道中特にこれといった問題はなかった。なんだ、ただの私の杞憂か。
しかし、対策としてはやり過ぎたのか周りの人達からはヒソヒソされる対象に。
待って、図書館ではマスク外すからそうやって携帯持って警察呼ぶ準備するのやめて。
そして図書館に着いて読み物を漁っているのはいいんだけど、三冊目の本を手に取った辺りから視線を感じるのは何故？
少し気味悪く感じたので視線の主を探すと、眼鏡をかけた小さな男の子がいた。…あれ？不審者じゃなかった。いや、寧ろ不審者は私の方なんだけどさ。
「何見てるの？」
私が声をかけると男の子は一言謝罪を言って近付いてきた。近くに親御さんはいないのだろうか。
「ごめんなさい…お姉さんさっき図書館の前まで周りをキョロキョロしてたから、誰か探してたのかなーって…」
ああなんだそんな理由かと溜息を吐くと、子供は身を強張らせたのかこちらの様子を伺ってきた。背丈的には小学生低学年辺りなのだろうか？にしては優れた観察眼だ。
「…最近外出るとよく会う人がいて、出来ればそいつに会いたくないだけ」
思い出すだけでも忌々しい、といった風に顔を歪ませると納得したのか「そっか…」と小さく呟いた。…出来れば子供にもお近付きになりたくない。何考えているか分からないし。
「ぼく、江戸川コナン！お姉さんの名前は？」
そら見ろ何故かこっちに興味を示した。
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メランコリスト - Whiskyさん» 個人的にもスコッチさんは好きだったので生かしました。最後までご覧下さりありがとうございます。楽しんでもらえたのなら作者として嬉しく思います。 (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
Whisky - やっぱりヒロは生きてたんですね！押しなので嬉しいです。すごく面白かったです。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: e4b3f2a326 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - まゆさん» この作品を見て下さりありがとうございます。続きが気になってもらえるとは…これからも面白いと思ってもらえるよう頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月14日 19時) (レス) id: 35cf1a0a87 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - 氷雨さん» まさか応援コメが来るとは…ありがとうございます。ご期待に添えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 2時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メランコリスト | 作成日時：2019年8月11日 15時
