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「おい、待てって…ジンヒョン！！！」
Aはソクジンを追うがなかなか追いつかない。
こんなにも足が速いなんて知らなかった
いつだって自分が前を走っていたつもりだった
だけどそれは結局のところ錯覚で、ソクジンの世界の中だけの話だった。
ビルの上の追いかけっこ。
高いビルからビルへ飛び移る
急に視界からソクジンが消える
慌ててビルの下をのぞくが、そこにはもう姿は見えなかった
「っ、くそ」
はあはあと肩で息をするA
本部に戻らなければ
そう思ったところに、左肩に衝撃
何かが当たった
そこがひどく熱い
ふと見てみると、赤く染まる自分の体
「…まじか」
ドクドクと全身が心臓になったかのようだ
左肩にはよくみると、穴。
そこから血があふれ出ている
ふー。ふー。
息を吐いてみるが痛みは逃げない
少しずつ歪んでいく視界
遠のく意識
その意識の端っこで
「逃げられはしないんだ」
と黒ずくめの男が言ったのがわかった
次に目が覚めるとそこは病院のように真っ白な一室
「あ、起きた？もう心配したよ。君が逃げたのかと思って…」
起き上がろうとするとひどく痛む左肩
「撃たれたんだよ」
「誰に」
「決まってるだろ、本部のやつだよ。君が逃げたのかと思って撃たれたんだ。忘れた？君、いつでも殺せるんだよ」
Aのベッドわきに控えていたのはビョンジュだった
「…お前もなんか言ってくれりゃよかったのに」
Aがいうと力なく笑った
「ボクはそういう…そういう力はないよ。」
「あ、そう」
なんとなく追及するのは気が引けて、それ以上何も聞くのをやめた
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作者名：LEA | 作成日時：2017年2月11日 21時
