もし力があったなら5 (ページ31)

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「なんなの、みんなして、信じろ信じろって。こんな状況で僕は何を信じればいいわけ？大好きだったみんなはもう誰もいないのに！！！テヒョンやナムジュニヒョン、ユンギヒョンは僕を置いていった！Aは大事な仲間を殺した！ホソクヒョンは僕に消えてほしいと願った！それがすべてでしょう！！」

ジミンは大声で言い切った。
はあはあと肩で息をしてセヒョクを睨み付ける。
セヒョクも負けずにジミンを睨む
「ジミン君、ここで僕たちが喧嘩をしても仕方がない。みんなが君を裏切ったかどうかは、君が能力を開花させればいい話だ。」
セヒョクはそういうと、席を立って何かを取りに行った。

ジミンはもう一度布団に潜りこんだ
気持ちの行き場がどこにもなくて、小さく小さく縮こまる。
このまま溶けてなくなってしまいたい、そう思っていたところで、視界が急に明るくなった

「誰が休んでいいといいましたか」
視線をあげると。
掛け布団を持ってこちらを睨み付けてくるセヒョクがいた

「この絵を見てください」
セヒョクが、一枚の絵をジミンの前に並べる

「…あ、これ…」
それは、みんなで街に出て落書きをした、その絵だった。

「覚えがありますね？」
セヒョクの問いに頷く。
「ではこちらの絵は？」

そういって出された絵に、今度は首を傾げるジミン

「さっきのと似ているけど、これは見たことない…」

「おそらく、テヒョン君が描いたものです。」
セヒョクがまっすぐにジミンを見て言う
「え、テヒョンが…？」
「これが発見されたのは数日前です。それまではなかった。A君に確認したところ、こんな絵を描くのはテヒョンくらいしかいない。センス悪、とのことでした」
セヒョクがAの口調をまねて言うと、わずかに上がるジミンの口元。

「テヒョン君は何かのメッセージを残そうと、この絵を描いたのではないかと思われます。そして次に…」
「待って、まって」
セヒョクが次の写真を取り出そうとしたとき、ジミンの小さな手が、それを止めた

「なんか、むずむずする、」
ジミンが眉間にしわを寄せながら言った。
セヒョクは注意深くジミンを見る
「むずむず、とは」
セヒョクの問いには答えずに、ジミンはうーんと唸る

「テテは一人じゃ無理だよ、すぐに誰かに会える、テテが中心になってみんなが引き寄せられるんだ。あいつはそういうやつなんだ」

早口でつぶやいた。