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ジョングクが死んだというニュースはすぐにジミンの耳にも入った。
「ジミン君、大丈夫ですか？」
セヒョクが心配そうにジミンを見つめる。
ジミンはベッドの上から降りてこない。
まるで病院のもののようなそれは白くて、重たい。
更に心をなくしたかのような表情をしたジミンがそこにいるから、さらに重たく見えた。
「だいじょうぶなわけ、ないでしょ」
抑揚の少ない声で答えるジミン。
「…そうですよね…。」
セヒョクはジョングクが生きていることは知っていた。
上司であるヒョサンから一連の流れを聞いていたのだ。
セヒョクは迷っていた。
その事実をジミンに知らせるべきか否かを。
本当はジミンが気づくのではないかと思っていた。
Aの本心やなぜ、本部に従うのかを。
しかしジミンはなにも言わない。
今自分がどう行動すべきなのか、迷っていた。
「セヒョクさんは、仲間っていましたか」
ジミンが呟いた
どう答えるべきか迷っていると、また話し出す
「僕にはいます。いえ、正確にはいました、ですけど。」
ジミンの言葉に違和感を覚える
「過去形、なんですね」
セヒョクがいうと、ベッドから起き上がるジミン。
「僕は踊らされていたようです。仲間だった人たちに。ずっと守ってくれるって信じていました。でも見てください」
ジミンはそう言って両手を広げる
「僕のこの胸にはもう誰もいません。思えば最初から誰もいなかったんです。父だった人ももういないし、いや、それも最初からいなかったし。ジンヒョンだって存在しなかった。ナムジュニヒョンはいなくなったし。これもまたきっと最初から。ユンギヒョンだってそう。ホソギヒョンには消えろ、と言われたので、きっとこれも。テヒョナやAも、僕を簡単に裏切っていった。だからこれも」
「最初からなかったことになるってことですか」
ジミンの言葉を止めてセヒョクが言った。
ジミンはセヒョクを見て薄く笑う
「セヒョクさん、僕の気持ちがわかりますか？本部で生きている、守るものがあるあなたに、もう何もなくなった僕の気持ちがわかりますか？」
「わかりますよ」
セヒョクは今度は迷わずに答えた
「わかるわけないでしょう、だってあなたには」
「僕は君のように諦めていないだけだ。裏切られた経験はある。それでも信じ続けなきゃならない。だって、それしか生き残る道はないんだから。それは君だってよくわかってるはずだ。なのになんで知らないふりをする。君は本当に彼らが君を裏切ったと思うのか」
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作者名：LEA | 作成日時：2017年2月11日 21時
