222 ページ22
「もう一度聞く。どういうつもりだ」
睨み付けるジフンにAは何も言わずに睨みかえす
そして大きく息を吸って、
「大事な弟殺すくらいなら死んだほうが良いってこと。わかんない？お前僕のこと全然わかってないよね。自分の命が惜しいから仲間を犠牲にするなんてするわけなくない？そういうのわかってから僕の事利用したほうが良いと思うよ。その点は、ヒョサンの方が上手だね。さ、はやく。待つのもなんだし、一思いにやっちゃってよ。」
一息で言い切ったAは、ジフンの横に控えていた男に向かってタブレットを指さす
「ほら、その画面タッチすれば僕はもういなくなれるんだ。早く押してくんない」
「…押すな」
ジフンが低く言った
「なんでさ、あんたの思うとおりだろ。」
Aがいうとジフンは胸ぐらから手を放し、ソファにどっかりと座りなおす
「連れて来い」
横にいた男に短く指示を出すジフン。
言われた男は、頷いて部屋を出て行った
横目でそれを見送るA。
「では、仲間のためなら、なんでもできるということだな。」
ソファに深く座り、足を組んでAを見るジフン
Aは意図が読めずに眉を上げる。
しばらくの沈黙。
それを破ったのはドアが開く音だった
自然とドアに向く視線。
入ってきたのは二人の男だった。
「セヒョク、ご苦労だった」
「失礼します」
「…！」
Aは短く息をのんだ
「こちらに連れて来い」
ジフンがいうと、セヒョクはもう一人の手を引いてジフンの横に立つ
「これでもお前は断わるか？」
ジフンはAを見て言った
「ジ…ミン」
Aがやっと声を絞り出す
「そうだ。ジミン。彼の命を掛けようか。」
「は、どういうことだよ」
Aに浮かぶ、明らかな動揺。
「お前がチョン・ジョングクの抹殺に手を貸さないというのなら、このジミンの命を犠牲にしよう。」
「待て、ジミンは関係ないだろ、僕のこと殺すんじゃないのかよ…」
「君はさきほど言っただろう。自分のために仲間を犠牲にするわけがないと。お前のことをわかってないと。これでもわかってないと言えるか？」
ジフンはさきほどとはけた違いの威圧感を醸しながらAと対峙する。
そしてセヒョクに視線を送るジフン。
セヒョクは黙って頷いて、ジミンの頭に銃を突きつけた
「せ、セヒョクさん…？」
ジミンも動揺する。
「すみません、ジミンさん。私も守らなくてはならないものがあるので。」
セヒョクは少しだけ申し訳なさそうにジミンに言った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LEA | 作成日時：2017年2月11日 21時
