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「やっほー」


朝、登校する彼女の目の前にサッと現れる。当然驚いて目をおっきくさせる。まるでウサギみたい。


「えっ!あ、昨日の!」
「覚えててくれたんだ?Aちゃん」
「......え?」


なんで、私の名前知ってるんですか?と問う彼女_Aに「俺人の名前が見えるんだよね」と適当な嘘をついておいた。本当はソラに教えてもらった。朝の登校時間も、ルートも、朝は彼氏がいないということも。



「すごい!エスパーなんですか!?」
「......え?」


いや、今時こんな純粋少女いる?明らかに嘘だって分かるでしょ。なのにそんな目をキラキラさせて。

はーもう益々、滅茶苦茶にしてやりたい。今すぐにでも、全てを壊すように。



「あなたの名前は?」
「キムテヒョン」
「テヒョンさんですね!」
「テヒョンでいーよ」


え!でも!と戸惑う。カワイ。思わずその肌に触れたくて、頬に手を伸ばし、ほんの少し指先が触れた時だった。



「ヒッ……!」



突然顔を青くして腰が抜けたかのようにその場に座り込み、震えるA。え、嘘、何、そんなに嫌だった?ごめんごめん、と彼女を立たせようと腕を掴めば、「イヤ!」と振り払われる。



「ごめんなさ、ごめんなさい、」



俺もしゃがんで彼女と目を合わせると、ガクガクと震えて涙を流していた。さっきまで普通に話してたのにほんの少し、触れただけで。



何、彼氏以外の男には触れられないとか?

普通ならここで引き下がるところを、逆にそれが着火剤となった。ますます、興味がわく。ますます、汚したくなる。ヤバ、俺こんな黒かったっけ?



「こっちこそごめん、もー触んないからさ、一限サボってどっか行かない?」
「え.....」
「そんな腫れた目で学校行ける?」
「い、行けません......」
「じゃー行こうよ」



手をつないで、行きたいところだがまだ我慢。まだあって二日目だ。ゆっくり、じっくり行こう。



__いずれ俺の体がないと生きれなくなる。

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作者名:かゆ | 作成日時:2019年12月9日 0時

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