アネモネ（shingo） (ページ45)

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信五side

自分の家に帰る事も出来んから、
最上階にあるラウンジに向かった。

信五「なんでまた来たん？」

ユーリ「ゴメンなさい。」

信五「事務所の人にも怒られたんやろ？」

ユーリ「………」

信五「今は大事な時期なんやから、
自分で自分の首絞めるような事はしたらあかんと思うで。
ユーリを売り出す為に事務所やって頑張ってくれたんやから。」

ユーリ「でも……」

信五「恋愛したらあかんとかは言わへんけど…
やっぱり時期ってあるやん？
もっと自分の立場が確立出来ひんかったら
すぐ違うヤツにもっていかれてまうで。
芸能界なんか足の引っ張り合いやのに……」

ユーリ「分かってます。分かってるけど……」

信五「事務所も頭ごなしにあかんとは言わへんと思う。
でも今回あかんって言われたんやったら、
それなりの理由があるからやと思う。
もっともっと売れてほしいって思っとるからちゃうんか？」

ユーリ「………」

信五「俺が言えるんはこんな事や。
もう2回目はない。
事務所に頼まれてももう無理や。
今日は何しに来たん？」