アネモネ（shingo） (ページ18)

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近過ぎる距離に急に緊張して動けなくなった。
信五はそれに気づいたのかそっと立ち上がって

信五「水持ってくる」

そう言って頭をポンと叩いてキッチンに消えていった。

今まで2人で過ごしてこんな空気になってなかったから忘れてたけど…信五が男だと意識してしまった。
信五が嫌いとか、好意がないとかじゃなくて、
ただ男の人だと意識してしまうと、あまりにも自分に経験がなくてどうしたらいいのかんからなくなってしまう。
キッチンに向かった信五がなかなか戻ってこないから、様子を見に向かうと話し声が聞こえてきた。

電話中？

信五(おんおん。大丈夫やで。)

信五(アホか。そんな事あるわけないやろ。)

信五(今？部屋で1人やで。)

信五(いまから家くる？
無理無理(笑)また今度にしてくれ！)

信五(浮気ってなんやねん。
そんなんちゃうわ。)

信五(また連絡するし、はよ寝ろよ。)

信五(アホか、お前と一緒にすんな。
おやすみ。はいはーい。)

.........................。

私聞いちゃいけない話聞いちゃったよね？
信五の声優しかった。
今から来るとか…浮気って絶対女の子だよね。
そんなことを考えて立ち止まってると

信五「ん？どないしたん？トイレか？」

さっきと同じ声で私に話しかけてきた。
思わず頷いてトイレに案内してもらったけど、
頭の中はさっきの信五の声と内容がぐるぐる回っている。