アネモネ（shingo） (ページ14)

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なんか流されてるような気もするけど…
今まで信五のことをそんな意識して見たことなかったし、無理なら無理でええって言われたし
とりあえず恋人ごっこから始めることになった。

別に何か変わった訳じゃなく、
信五は東京で私は大阪。
休みもないからデートするわけでもないし、
時間もバラバラで決まって電話する訳でもない。
でも信五からの連絡は確実に多くなったし、
今何してるとかも話してくれたり、
友達の頃とは違うのは感じた。

信五「来月誕生日やろ？
なんか欲しいものないん？」

「欲しいものって…そんなんないよ(笑)」

信五「なんや寂しいな～
なんかないんか？食べたいもんとか！」

「食べたいもんって…とくにないな～」

信五「お前もうちょっと楽しめよ！」

「楽しめって(笑)
そんなん言われてもな～
そうやな～
じゃあ久しぶりに信五に会いたい！」

信五「お前……」

「そうゆうのはどう？
あかんかな？」

信五「お前…それはズルいで！
そんなん今からでも行きそうなるやないか(笑)」

「今からって(笑)」

信五「誕生日の日は無理かもしれんけど、その辺で休みとるから、、、どっか出かけよか？
旅行とか行こうで！」

「旅行とかいいやん！行こう行こう。
楽しみにしてる」

信五「調整するわ！」

楽しみにしてたのに、結局休みが取れたのは1日だけで、ゆっくりご飯食べて少し出かけて終わった。

結局いつも過ごすのは大阪に帰ってきてる数時間だけで、ゆっくり会える時間はなかったけど、
信五がたくさん会う時間を作る努力をしてくれてるのが伝わった。
恋人ごっこを始めて分かった事は、
信五は彼女には甘いという事。
色んな事気にして気を使ってくれる。
前から誠実やと思ってたけど、信五はほんとに大事に付き合ってくれてた。
付き合うって言っても恋人らしい事は何もしてない。
いつもご飯食べて家の前まで送ってくれてバイバイ。
家に来る？って聞いても
それは今じゃないって言って真っ直ぐ帰っていく。
そんな真面目な付き合いのまま1年が過ぎていった。