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Aちゃんの血を舐めてから からだが変な感じがする.
久しぶりの人血だったからかな?
「 おい 」
そんなことをぼんやり考えていれば、城の中で猗窩座殿に出くわした.
「 これはこれは、猗窩座殿じゃないか 」
「 ヘラヘラと笑うな.
お前は人間の女に情けをかけているみたいだな 」
「 やだなぁ、そんなんじゃないよ.
彼女の死期を待っているだけさ. 」
ピクリ、と猗窩座殿の眉が動いた.
その直後、頸に拳が飛んできた.
「 おっと、危ないじゃないか 」
「 鬼のクセに死期を待つ? 馬鹿げたこと言うのはやめろ.
さっさと喰うか鬼にしてしまえばいい 」
「 猗窩座殿は短絡的だなぁ.
一度狙った獲物をどうするかは俺の勝手さ. 」
猗窩座殿は不服そうに俺を睨む.
負けじと笑顔を絶やさずに彼を見る.
「 それに、ちゃんとあのお方の許可も得てるしさ 」
ひらりと手を振り、猗窩座殿の前を去る.
Aちゃんは、俺の獲物だし、誰にも譲らない.
猗窩座殿のことだから「俺が仕留める」とか言いそうだけど、
無惨様の許可を得てることを言えば動かないだろう.
「 ……? 」
まただ、
胸の奥が脈打つような感覚は何だろう?
初めての感覚だから良く分からないや.
「 あ!きっと早く食べたくて仕方ないんだ!」
うんうん、なるほど!
だって、血を舐めてからだし.
美味しかったなぁ…
きっと肉体も嘸かし美味なんだろう.
「 早く食べたいなぁ 」
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m - 夜遅くにすみません。先程、刀鍛冶の里編を見てきました。そのせいか、物語がより綺麗に見えて鬼を本当に好きになれました。この作品を知った時と鬼滅の刃を好きになった時は違いますが今、この作品に会えて嬉しいです。この作品を作ってくださりありがとうございます。 (2023年4月10日 1時) (レス) @page17 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 数年後からこんにちは(?)めちゃくちゃ泣きました…。キメツ学園とかの世界線で二人がまた出会えていると良いなぁ…(解釈違いだったらすみません) (2023年3月14日 1時) (レス) @page17 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(童磨推し) - 泣けました。すごく感動しました。大好きです!! (2020年5月16日 12時) (レス) id: 5357f72739 (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - メッチャ泣けました( ; ; )ハッピーエンドも好きだけどこういう終わり方が1番切なくて好きですTT本当に泣けましたありがとうございました!次も頑張ってください! (2020年4月22日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 今更凄いですけど、この作品で、人間と言うものはとても尊い者なんだと気付きました。とっても感動しました。 (2020年4月1日 5時) (レス) id: e646d1c815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2019年11月11日 17時