陸 ページ6
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「 おっ、Aじゃねぇか! 」
『 宇髄様、お久しぶりです! 』
本部の敷地内を歩いていたら、音柱の宇髄様に会った.
相変わらず派手な容姿.
「 久しいな. 胡蝶のところに行ってきたのか? 」
『 ええ、診察と薬を受け取りに 』
私は柱ではなかったけれど、カナエさんを通じて柱の方々と対面することが多かった.
最終的な階級は、【
引退を口にした時、不死川様には「勿体ねぇなァ」と言われた.
伊黒様にも「俺は認めない」とかネチネチ言われた.
まぁ、私が肺を患っていることは、引退する直前まで彼らは知らなかったのだから.
引退する理由を言えば、流石に了承して頂けたけれど.
「 なぁ、もう帰るのか? 」
『 ええ、しのぶに安静するように言われてますので. 』
「 そうか…
せっかく来たんだからアイツらに出せばって思ったんだがな. 」
『 ありがとうございます.
お気持ちだけ受け取らせて頂きます. 』
失礼しますと一礼し、宇髄様の横を通り過ぎる.
『 ………あの、宇髄様 』
少し通り過ぎて、足を止める.
『 人間と鬼は仲良くなれると思いますか? 』
「 ……はァ? 」
『 いえ、冗談ですよ. ごめんなさい、変なこと聞いて. 』
何言っているんだろう、宇髄様に向かって.
「 なれたら今頃争いなんて起きてねぇだろ 」
少し荒っぽい口調で言う彼.
『 そうですよね 』
鬼と仲良く出来れば、
私の家族も鬼に喰われずに済んだはず.
そんなこと、無理だって分かっているけど.
でもこれ以上、悲しみの連鎖を生まないためにも
鬼を斬るか、鬼と仲良くすることしかないのだろう.
後者は不可能に近いけれど.
少しでも、1ミリでも、
何か方法を見つけることが出来たら変わるのかもしれない.
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m - 夜遅くにすみません。先程、刀鍛冶の里編を見てきました。そのせいか、物語がより綺麗に見えて鬼を本当に好きになれました。この作品を知った時と鬼滅の刃を好きになった時は違いますが今、この作品に会えて嬉しいです。この作品を作ってくださりありがとうございます。 (2023年4月10日 1時) (レス) @page17 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 数年後からこんにちは(?)めちゃくちゃ泣きました…。キメツ学園とかの世界線で二人がまた出会えていると良いなぁ…(解釈違いだったらすみません) (2023年3月14日 1時) (レス) @page17 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(童磨推し) - 泣けました。すごく感動しました。大好きです!! (2020年5月16日 12時) (レス) id: 5357f72739 (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - メッチャ泣けました( ; ; )ハッピーエンドも好きだけどこういう終わり方が1番切なくて好きですTT本当に泣けましたありがとうございました!次も頑張ってください! (2020年4月22日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 今更凄いですけど、この作品で、人間と言うものはとても尊い者なんだと気付きました。とっても感動しました。 (2020年4月1日 5時) (レス) id: e646d1c815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2019年11月11日 17時