イン・ザ・ショコラ 7th *Ryosuke.Y*

・ ページ27

涼介「…可愛い？」


私を見た涼介が首を傾げる。


別に“可愛い”には引っかからなくていいんだけど。


引っかかるポイントそこじゃないし。

･









･









･









･

A「可愛いかどうかはいい！なんでもいいから…、」


涼介「いいよ。」


A「えっ？」


いいの？やだよ、くらい言われると思ってたのに。

･









･









･









･

思いもよらぬ返答に思わず拍子抜け。


いいよ、と答えた涼介が平然とした顔で。


涼介「クリスマス相手してやれなかったしいいよ。」


なんですか、それ。遅めのクリスマスプレゼントってやつですか？

･









･









･









･

涼介「何が欲しいの？」


なにが欲しい？物はいいや。えーと、なんかないかな。


必死に頭をフル稼働させる。


A「あ、…初詣に行きたい。」

･









･









･









･

涼介「行ってきたんだろ今日。」


涼介とふたりで行きたいって意味だったんだけど。


まあ1日2回も行くのもどうかと思うので明日行くことになって片付けられる。


じゃあ他？ほかってなに？えーとえーと…

･









･









･









･

A「うーん…初売りに行きたい。」


涼介「こんな時間に？」


外はもう日が落ちて暗く、時計の針は6時過ぎ。


確かに今から行ってもなぁ。

･









･









･









･

涼介「なにもねえのかよ。」


A「違う！あるから、待って！」


いざ聞かれるとなにもないから困る。


あるよ、色々行きたいとこはあるんだけど。

･









･









･









･

A「…あ、」


涼介「なに？」


A「いや、これはやっぱりいい。」


ふと思いついたけどやっぱやめとこう。

･









･









･









･

これは断られたらちょっと…いや、結構傷つくし。


もっとなにか、普通な感じのお願いごとを…


私は考えるのに必死だけど、涼介はそうでもないらしく。


涼介「なんだよ、言えよ。」

･









･









･









･

さっき言わなかったことが気にかかってるっぽい。


言え、と催促する涼介は私のことなんて御構い無し。


私を見る涼介の視線から逸らした。


A「…ぎゅーって…、してほしい…。」

・

・

・

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す