イン・ザ・ショコラ 7th *Ryosuke.Y*

Ep.2 ページ14

高2の夏休みほど楽しいものってないと思う。


来年は受験生だし色々勉強したり先輩を見てると大変そうだし。


去年は膨大な課題の多さにヒーヒー言ってたしなぁ。


今年もそれなりに課題は出たけど、対処の仕方はもうOK。

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バイトもそこそこ慣れてきて、自給が少し上がったから嬉しいのは嬉しいんだけど。


ただ、GWに新幹線代をおろしたことを皮切りに服とかコスメとか色々調達しちゃったし。


自分で稼いだお金だからと言って金銭感覚が多少狂いつつある。


折角の夏休み、また新幹線代で飛んでくと思ったら...

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通帳とスケジュール帳を交互に眺めながらため息をついた。


7月はまぁ無理だとして、今月分の給料が入って8月になんとか...


「え、じゃあ来週から大阪なの？」


「急な出張が決まってね。」

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ダイニングで話すママと涼介のお父さんの話に耳を傾ける。


「でも、日帰り予定なんだけどね。」


「大阪かぁ...。」


「うん。序に涼介の顔でも見てこようかな。」

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...今、聞き捨てならないこと言った。


それに便乗すれば私も...


A「お父さん！それ、私も行っちゃダメですか？」


「え？Aちゃんも行くの？」

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「ダメ。なに考えてんの。」


ダメだ、ここでもママが手強い。


A「お願い！夏の思い出作りたいの！」


「そんな理由ダメですー。」

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...だろうね。斯くなる上は。


A「関西の方の大学も見てみたいなーって。」


「...だめ。」


A「もうケチ！」

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「僕は全然いいよ...？」


仕方がない、極めつめ。


A「ママの好きな食いだおれサブレ、買ってくるから。」


「...いいよ。」

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「え、それはいいの？」


ヤッタ！と小さくガッツポーズをした。


実の母親をこういうのもなんだけど、私に似てチョロい。


...正しくは私がママに似て単純チョロいんだろうけど。

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