LAST MINUTE

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「そう言えば勝手に呼び捨てちゃってごめんね」

「いえいえ全然！最初に断ろうとした時に、
待ち合わせしてるって嘘ついてたんですよ」

「へー、そうだったんだ」

「だから呼び捨ててもらって、
信憑性出たと思います」




・・・ん？


これ、川上さん家で話してた会話だ。
なんでリフレインしてるんだろ・・・。







えっ、・・・なんで！？







薄っすらと目を開けると
また同じ天井、同じベッドの上。


窓の外はすでに明るくて朝になっていた。




飛び起きて寝室を出ると




「わ、ごめんなさいっ、」

「うおっ！？朝から元気だね笑」




川上さんとぶつかりそうになって




「今、起こしにいこうと思ってた」

「あ、あの、私・・・」

「覚えてない？昨日あの後寝ちゃったんだよ？
もしかして安心しちゃった？」




それで朝までぐっすり・・・！？


嘘でしょ？
私ってばどこまで図々しいの！？




「ほんっとにすみません！」

「ふははっ、いいよ。あ、朝ごはん食べる？」

「いえっ、そんなとんでもない！帰ります！」




もう、ほんとになんて言ったらいいか。
しかも一昨日と昨日から今朝に掛けてと連続で！


ほんとに自分が信じられない。




「ほんとにありがとうございました！
お礼にお伺いする前にまたお世話になってしまって」

「全然 気にしなくていいよ。
また遊びにおいで？」

「遊びにというか、お礼には必ず伺います」




がばっと頭を下げると、
出社に間に合わせるため急いで家へと帰った。







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焦って自宅まで戻って出勤の支度をする。




急いでシャワーを浴びて、
髪を整える時間はないから
ドライヤーの強風で乾かして。




今日はもう ひとつ結びでいいやって、
通勤服に着替えて髪を括ろうとすると
首の赤い痕が、




あれ？・・・濃く、なってる？




あ、違う。
少しずれてるから新しい痕だ・・・。




似たような箇所に似たような赤い痕。




一昨日、川上さん家から帰ってきた時と、
そして今日も川上さん家から帰ってきて・・・。




・・・もしかしてソイちゃん、
噛み癖でもあるのかな？




その時の私は増えた傷痕を不思議に感じながらも
そんな風に考えていた。





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