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*yoohei side
家に帰って玄関のドアを開けると
トントンと軽快な包丁の音が聞こえてきた。
晴れて彼女との同棲生活が始まった。
一緒に生活する彼女にお願いしたのは、
血液の提供者になって欲しいということ。
いきなり一緒に住むなんてかなり無理な話だと
自分でも思っていたけど、
すべては彼女の血液を美味しくいただくため。
そこは無理矢理ながら理解してもらって、
それからもうひとつ。
料理が苦手で自炊を殆どしないから
家事も少しお願い出来ると助かるって
話をしていた。
「ただいま」
「あ、お帰りなさ、」
彼女が俺を見た瞬間「痛！」って声を上げた。
「わ、ごめん！俺が声掛けたから」
「違いますよ、私が手を止めなかったから」
「貸して」
指の傷口から滲む血はほんの少しなのに
俺を惑わすあの香りがふわふわと漂うから
彼女の手を取って傷口にくちづけると
ちゅうっと吸い上げた。
「あの、洋平さ、」
「ん、美味し」
・・・参ったな。
こんな小さな傷口からでも
彼女の血液はとびきりな味がする。
「浅くて良かった。着替えてくるね」
このまま此処に居たら
吸血欲が疼いて我慢できない。
そう思って急いでその場を後にした。
美味しいからって、むやみやたらに
吸血するわけにはいかない。
とあるCMだってこう言っている。
『 ご利用は計画的に 』
吸い過ぎて彼女が体調を崩してしまっては
血液自体の質が落ちて
元も子もなくなってしまう。
そんなことを考えながら上着を脱ぐと
今度はキッチンからガラガラガッシャン！と
ずいぶん派手で大きな音が聞こえてきた。
「ふはっ、」
その音にクローゼットの前で思わず吹き出す。
傷口にくちづけた時、真っ赤な顔してたから
もしかしてそういう事にあんまり免疫がなかったのかな？
豪快な慌てっぷりに血を吸いたいなんて気持ちも
すっかり落ち着いて、
着替えを終えてテーブルに向かうと
申し訳なさげな顔した彼女が夕食を運んできた。
*
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叢雲(プロフ) - ytN2さん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただいて嬉しいです(^-^)アルバム発売後に思い付いた話で自分の中では冬のイメージなんですが春になりそうなので最近気合いを入れて更新してます笑。体調崩しがちな時期ですのでytN2さんも風邪など引かれませんように◎ (2019年3月8日 23時) (
レス) id: 2d202b4602 (このIDを非表示/違反報告)
ytN2(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！昼夜気温差激しいですが体調崩されませんよう頑張って下さい(´ω`) (2019年3月7日 1時) (レス) id: 17fea9a7ec (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 吉野さん» いつもお読みいただいてありがとうございます。最高なんて言っていただけて嬉しいです。励みになります(*^_^*)花粉症と言えば今年は洋平さん大丈夫なんでしょうか？最近は寒暖差が激しいので吉野さんも体調気を付けてくださいね(^-^) (2019年3月4日 0時) (レス) id: 2d202b4602 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 更新ありがとうございます(^ｰ^)ゞやっぱり最高なお話です！続きがとﾞうなるか楽しみです(^ｰ^) 花粉症などが、大変なので身体に気をつけて素敵な毎日をお過ごしくださいませ(^ｰ^)ゞ (2019年3月2日 1時) (携帯から) (レス) id: 833fe62d5d (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 蒲公英さん» コメントありがとうございます。読んでいただけて嬉しいです。実は私も素敵なお話しだな〜と思いながら作品読ませていただいてます(^-^)獲物を持ち帰った時の得意げな猫の顔もまた可愛いですよね。蒲公英さんもお身体に気を付けてお過ごしください◎ (2019年1月13日 23時) (レス) id: 2086e547d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年12月15日 0時
