82-30SHside ページ30
遥「おつかれ。いらっしゃい....」
SH「患者さんは？」
遥「次2時から。昼休憩中....」
SH「ごめん。いいよ、自分で探す....」
遥「いや....今発見次第出て行かせてるけど...今日朝からフリーのカメラマンが3人張ってた...」
SH「中入ってくるの？」
遥「誰でも入れるもん....おいで、こっち....」
外来患者さんを避けてスタッフオンリーのドアを抜ける遥ちゃん。
救急の廊下を横目に、階段で数階上がっていった。
遥「宮川大輔とか具志堅さんなんかはさ、記事にしたところで売れないでしょ...。ジュン君は話が違う...」
SH「確かに。鮮度抜群ってやつね....」
遥「下手したら無菌にいるより、B特戻したほうが安全かもしれないね....」
言われてみれば前回お見舞いに来たときとは違う場所に案内されてる気がする。
前はこんな明るい病院病院してるフロアじゃなかったしなぁ....。
歩き続けた僕の前に現れたのは、パーテーションで区切られた病室の一部。
その奥はブラインド。病室への扉ではなかった。
SH「..................。ドラマでしかみたことない....」
遥「ドラマで取り上げられるような疾患者だからね〜....。」
ブラインドを上げても内側から遮断されてて、透明の窓が現れるだけだった。
ダメだ.....耐えられない....かも....
遥「声かけるけど...。大丈夫...？」
SH「................。」
遥「............。どうする...。顔見れる....？」
SH「...........。多分...」
なんで僕はこう、後悔をするような選択ばかりしてしまうんだろうか。
後悔しないように生活しようって心がけてるはずなのに....その選択が後悔をもたらしてる。
自分が傷ついても、もっともっとお見舞いに来るべきだった。
自分が拒否否定されても。もっともっとスキンシップを取るべきだった。
出来なくなる前に。
遥「座っていいからね。」
SH「..............。」
遥「........。ジュン君？今大丈夫かな？」
"うん。なにー！"
遥「スホ君来た。開けられる？」
"ちょっとまってね〜♪"ガチャ！
遥「もー.....壊れるでしょうが....ｗ」
そのうちブラインドが開くはずだからって...。それだけ言い残してその場を去った遥ちゃん。
１人不安を抱きながら待ってると、簡単に奥のブラインドはあげられた。
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作者名：LARKim5
| 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/home
作成日時：2017年5月16日 1時
