【実況者】顔を隠したその少女。

赤の手紙。 ページ13

NO side

無理矢理夕食を流し込み、部屋に戻った書記長は
机の上に置いてあった赤いマフラーと赤い封筒を手に取り、封筒の封を切る。
中には手紙。
書記長は椅子に座り、手紙を読み始める。

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書記長様へ

書類、勝手に持っていってしまってごめんなさい。

他幹部様方の溜めてあった書類も回収して、一通り終わらせてあります。

少しでも書記長様の力になれたら嬉しいです。

この軍に来たばかりの頃から書記長様には優しくして頂きました。

総統命令で総統様を部屋に匿っていた時も、

内ゲバを止められず壁が壊れた時も、書類に不備があった時も、

戦争の時、庇ってくださった事も何度もあります。

まぁ、総統様と私の部屋で乱闘を始めた時や、

寝不足の時に食堂で倒れられた時は流石に驚きましたが。

書記長様は、他人の変化にいち早く気付かれていましたね。

私が落ち込んでいた時や、怪我を隠していた時にいち早く変化に気付き、気にかけて頂きました。

ですが、書記長様は自分のことに関してはとても鈍い。

徹夜も、怪我も、それ以外のことも、

周りだけでなく、自分をもっと大切にしてください。

昔頂いたマフラー、「無能」が持っているには勿体ないのでお返しします。

今使っているマフラーの予備にでもしてください。

「無能」はこの国に必要ないので、この国から消えます。

今後の居場所は伝えられません。

見つけても、他幹部様には伝えないでください。

体にはお気をつけてください。

A

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手紙を読み終えた頃には、ただ静かに涙を流していた。

tn「俺はｯ、」

書記長は少女を信じなかった自分を嫌った。

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