包帯無駄遣い装置、胸キュン研究記録

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家でごろごろしてたいなあ、と呟きながらメッセージを送信する。
太宰@心中相手募集中 私には今、失意のどん底で自棄酒をするという重要な任務があるんだよね。
　だから申し訳ないけど断るよ
　すると矢継ぎ早にメッセージが受信される。その受信の振動が鳴り止まなくて恐くなってきちゃうよ、私。
与謝野 じゃあアンタは一生Aを側でうじうじ指を咥えて見てるだけで良いのかい?
　この絶好のチャンスを逃したらもう後は無いと思いな!
ナオミ 与謝野医師の云う通りですわ。
　というのも、今日Aさんから偶々、引き出せた情報があって
　「……『情報』？ 何それ。私聞いてないんだけど」

　首を傾げて、メッセージを送信する。
太宰@心中相手募集中 その話、詳しく聞かせてくれないかな? 一寸元気出てきたかも。
　二人からは了承のメッセージが返って来た。暫くの沈黙の後、携帯がメッセージを再び受信する。
ナオミ それにしても……
与謝野 アンタ、それアットマークの後の文言、必要なのかい?
　「あー……」

　適当に返信を打つ。別に如何だって良いじゃあないか。
太宰@心中相手募集中 必要さ!

　＊

　二人に指定された場所、探偵社から少し離れた場所にある喫茶店の扉を私は押した。二人は既に来ていた。それにしても、何故彼女達は私とAちゃんの事を異常に気にしているんだろうか。
　後で聞いてみようかなあ、と思いつつ、椅子に座る。彼女らは異様に深刻な表情をしていて、私まで何だか黙らざるを得ない空気になってきた。喋りづらい空気って最悪だよね。

　「太宰、来たね。Aの重大情報。それはこれさ」

　与謝野医師の言葉と同時に、ナオミちゃんが持参してきたらしい鞄(カバン)の中から大儀そうに何かを取り出し、机に置いた。

　──何なの、これ？

　私の目の前に鎮座しているのは、沢山の本、本、本。その表紙には矢鱈とデフォルメされた男の姿が描かれている。然も、良く見れば、その男は凡ての本に描かれているようだった。
　ナオミちゃんが口を開く。

　「──それが今現在Aさんを一番ときめかせている男性の正体ですわ」

　ナオミちゃんが私の方に一枚の紙を差し出す。ざっと見たところ電子文章(メール)上の遣り取りを紙面にプリントしたもののようだ。今は取り敢えずそれに目を通す事に専念する。

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ラッキーアイテム

砂色の外套

ラッキーなシチュエーション

森さんが壁にかっこよく手を突いた

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