君との出会い2 ページ2
私は睨むつもりでテレビから彼に目線を移した。
・・・かわいい。
すっごくかわいい。
私は、なぜか家にあったひよこの貯金箱を思い出した。
「ん?なに?僕の顔変?」
きょとんとした顔でこちらを見つめる彼。
『ううん、かわいい。』
「ははっ!めっちゃおもしろいんだけど!」
今度は床に転がって笑い始める。
ちょっと変だけど、この人やっぱりかわいいな。
そんなことを思っていると
「おい!ジミナ!何笑ってんだよ〜!」
「はやく、おにごしようぜ!」
知っている親戚の子に交じって、知らない子が数人。集団になった男の子たちがかわいい彼を連れて行ってしまう。
あーあ。もうちょっと話したかった。なんか、腹が立つ。
「あ、君も一緒にやる?」
かわいい彼が私を振り向いて聞く。
うれしい。もうちょっと、一緒に遊べるかも。
行きたい!!
でも・・・。
「ううん。大丈夫。」
あの時、どうして私が うん ってうなずけなかったのか、今ならわかる。
私は出会ってすぐに、彼のことを独占したいって思ってたんだ。
もちろん、あの頃の私にそんな自覚はなかったのだけれど。
そして後日、彼が私よりも2歳年上だということを知り私は落胆するのである。
これが、かわいい彼ことジミンと私の出会い。
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作者名:らぱん | 作成日時:2020年1月13日 0時