竜田姫 ページ24
たまたま、偶然だった。
村に少し大きな流行り病が広がった。
だからたまたま、私は祈られたのだ。それは東からやってくる風が原因で、私には力がなかったけれども、祈りの力で少し遠ざけることができた。
それからだ。
お供え物が置かれるようになり、ここを通ると皆が手を合わせる。
ありがとう、ありがとう。沢山の感謝の言葉を貰うのは、嫌ではなかった。
夜、静まり返った頃、死霊達が湧き出し溢れる。
私はそれを怯えながら過ごした。
私の真名はいつしか変わり、竜田姫、竜田姫と崇められながら過ごした。
『こんにちは』
綺麗な女の子が私のところへ来た、沢山の名前が身体中にある、小さな子だった。
『なぜ神器がいないの？神様の匂いに釣られて、こんなにも死霊がきてるのに』
「私は弱いから、神器を持つ力もないの。あなたは強いのね。たくさん可愛がられたのかしら」
嫌味を言ったつもりだった。体中に名前を付けた哀れな女の子に。でもその子はクスッと笑って私の言ったことなど聞こえてもいないかのように喋り続ける。
『あなたが望めば守ってあげるわ…。私を神器に欲しいって心から願うのよ』
気味が悪い、というのが正直な気持ちだった。夥しい数の名前が、私を見定めているようで…。
「必要ない！！何処かにでも行ってくれ！！」
『ふふっ…。怖い怖い』
彼女を追い払った後は、また独りぼっちの怖い夜が始まった。死霊たちが涎を垂らしながらこちらを見ている。怖い。寂しい。
「くそっ…」
私はいつ死ねるのだろうか。神に生まれて、信仰されて。ありがとうと言われて。夜には怯えて過ごすのは、いつ終わるのだろうか。
「！…おい？！大丈夫か？」
真っ暗な闇に、お日様みたいな人が現れた。キラキラして眩しくて思わず顔をしかめる。こんな人がいるのかと、驚いたのを覚えている。彼の腕や、優しい笑顔は今でも忘れてはいない。
「こんな所では寒いだろう…。おいで」
私に呪いをかけた彼の事は____。
終わり←生まれ
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まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年5月7日 23時) (
レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉花 - とても面白いです！更新楽しみにしています。 (2016年11月23日 12時) (レス) id: 280c39c4b9 (このIDを非表示/違反報告)
猫人形 元猫耳ｱﾔﾂﾘ人形 (°∀° )(プロフ) - くろこげさん» なんと！ありがとうございます！！これからも完結まで読ませて頂きます！応援させて貰います！！すごい好きですこの話！ (2016年8月22日 22時) (レス) id: 4193c1a1f5 (このIDを非表示/違反報告)
くろこげ - 猫人形 元猫耳ｱﾔﾂﾘ人形 (°∀° )さん» ありがとうございます。実を言うと、貴方のために更新したようなものです。とても励まされました。これからも不定期ですががんばっていこうと思います (2016年8月22日 1時) (レス) id: c233b9a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
猫人形 元猫耳ｱﾔﾂﾘ人形 (°∀° )(プロフ) - 更新通知が来て嬉しかったです！！これからも応援します！楽しみに続き待ってます！ (2016年7月21日 20時) (レス) id: 4193c1a1f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろこげ | 作成日時：2014年1月25日 15時
