＊ ページ16
「ぁ、えと、…」
よくよく考えてみると今俺がおるのは佐野くんの腕の中。
そのことに気付くとじわじわと顔が赤くなって。
離れて、なんて言えへんくて夕日に照らされた階段で向かい合ってるだけやった。
どうすんねんこれ、
「かわいすぎやろ……」
「へ？」
そんな時、思いもしない佐野くんからの言葉に自分でもよく分からへん声が漏れた。
佐野くんはしまったって顔をして目をそらすけど全然状況が飲み込めへん。
かわいいって…何が？
「忘れて！今のは聞かへんかったことにして！」
「えぇ？」
「ほんまに…あ、桜庭くん！怪我とかしてない？大丈夫？」
「怪我はしてへんけど…」
「良かった……足元気をつけてや。傷なんてついたら困るし。」
そういうと佐野くんは俺の手を引いて立ち上がって散らばったノートを拾い集めた。
「あれ、そういえば俺のメガネ、」
いつもより視界がぼやけてる事に気づいて顔をぺたぺた触る。
うそ、おれの顔見られた？
「桜庭くんメガn「っ、貸して！」え？」
「あんま見んといて。恥ずかしい、から…」
さっき引いたはずの熱がまた顔に集まってくるのを感じて今度は俺が慌ててノートを拾った。
「もーっ…なんやねんこれ…」
拝啓神様へ
なんだか佐野くんを見ると心がざわざわして落ち着きません。
ちょっとかっこいい、なんて思ったり。
これって恋…ってそんなわけないですよね。
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無自覚恋愛、無自覚わんこな佐野くんでした🐶
このシリーズまだまだ続きそうです。
Aぇ! group 【絵文字だけで出会えるかin神戸】5人のキューピットは🐼〜第1話→←＊
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作者名：i | 作成日時：2023年6月19日 19時
