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昔の俺を見ているみたいだ、とベッドの横の椅子に座るユアンは感じた。今でこそ他のベアマンを手助けする程度の余裕はあるが、彼もかつてはこの少年のように衣食住も安全も保障されないようなありさまだったのだ。
数分経った後、けふ、と少年が軽いげっぷをする。プレートの上には、汁の一滴、パンくず一つも残っていない。
「ごちそうさまでした。こんなの久しぶり……いえ、初めてだったので、つい。えっと、改めて、ぼく、ケントって言います」
そう言いながら、ケントは膝の上に乗った器に頭をぶつけそうな勢いで頭を下げた。拍子に背中の傷が痛んだのか、短い声をあげて背中を抑える。
「ああ。俺はユアン・ブルーフォード。この組織の副リーダーを務めている。……それで、いきなりで悪いんだが、これまでのいきさつを話してくれないか。無理はしないでいい。何なら寝ながらでも構わない。少しずつでいい」
ケントは、二日前の昼に目も当てられないほどボロボロになっているところを組織のメンバーに保護されたのであった。保護したメンバーは当時広報活動をしており、その最中に「そしき、てーこーそしきのひとですか」と、うわ言のように問われたらしい。
その後、メンバーに抱きかかえられてアジトに来た時も、「そしき、てーこーそしき……」と、眠りに落ちるまでつぶやき続けていた。
「はい、もちろんです。ぼくはそのために来たんですから」
そう、彼は力強くうなずく。
そんな彼の意気に引き込まれたように、ユアンは身一つ分前に乗り出す。それに合わせて、鈍く椅子と床が擦れた。
「少し長くなるのですが、今から三週間と少し、遡らせてください」
そして、ケントは思い出すように宙を見ながら、言葉を紡ぎ始めた。
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紫清(プロフ) - 嵩画さん» 温かいお言葉ありがとうございます！ 読んで下さる方がいるということが何よりの励みになりますので、今後ともよろしくお願い致します。 (2020年3月16日 18時) (
レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - 毎回更新される度にわくわくしながら読ませて頂いております…今後の展開が非常に楽しみです。お忙しい時期だとは思いますが、頑張って下さい。 (2020年3月16日 17時) (レス) id: 34e937d538 (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - ももせさん» ありがとうございます！ 長くなりそうですが、お付き合い頂ければ幸いです。 (2019年9月26日 0時) (レス) id: 85ba6a0490 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ - 小説版すごく楽しみにしていました！今後の展開が気になる…更新楽しみにしてます！！ (2019年9月23日 23時) (レス) id: a031215c05 (このIDを非表示/違反報告)
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