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「やだ、アタシったらデリカシーなかったかしら？ ごめんなさいね。こんなこと言っちゃうなんて、まるでどこぞの騎士みたいだわ。あぁやだやだ。私たちは差別と戦う『抵抗組織』なのに」
何やら察したのか、慌ててニーヤが言葉を足す。感情が反映されたのか、包丁もダン、と一度大きい音をたてた。
――そんな国家の変容に、いくらかの人々は黙っているだけではなかった。差別に反対し、かつてのような平等な国を目指す者達の集いがある。特に名はないが、そこに属する者は、それを『抵抗組織』と呼ぶ。彼らは現在、ベアマンの人々を保護したり、騎士による不法拘束をやめさせたりと、細々と、ではあるが確実に人を救ってきていた。
が、それらは単に対症療法にしか過ぎない。組織が目指すのは、差別に対する根本治療であるが、それにはいまだ至っていない。そんな現状を、ユアンも含めた多くの組織メンバー達は苦々しく思っている。
しかし、立ち止まっていても仕方がない。ただ今は、自分達ができることこそが最善と信じて。彼らはそうして、この国と向き合っていた。助けを求めて手を伸ばす者の手は取り、不当に追う者は阻む。そうして救える者は限られる。大局を動かすことを第一とする者からは時折不平も出るが――実際に助けた人々の安堵した表情、「ありがとう」という言葉を受ければ、どうしてもそれが「間違っている」とは思えなかったのだ。
頭を掻きながら、ユアンは思ったままを言う。
「いや、気にしてない。お前はもともとそういうやつだし」
「あらそう、よかったわ。……思い出した。あったわ、手伝ってもらうこと。昨日保護した男の子、いたでしょ？ あの子用のスープとパンはもう出来てるから、持ってってくれる？」
ニーヤが顎でしゃくった先には、プレートに乗った卵スープに固焼きパン。スープはまだ温かいようで、ほかほかと湯気が上がっている。
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紫清(プロフ) - 嵩画さん» 温かいお言葉ありがとうございます！ 読んで下さる方がいるということが何よりの励みになりますので、今後ともよろしくお願い致します。 (2020年3月16日 18時) (
レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - 毎回更新される度にわくわくしながら読ませて頂いております…今後の展開が非常に楽しみです。お忙しい時期だとは思いますが、頑張って下さい。 (2020年3月16日 17時) (レス) id: 34e937d538 (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - ももせさん» ありがとうございます！ 長くなりそうですが、お付き合い頂ければ幸いです。 (2019年9月26日 0時) (レス) id: 85ba6a0490 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ - 小説版すごく楽しみにしていました！今後の展開が気になる…更新楽しみにしてます！！ (2019年9月23日 23時) (レス) id: a031215c05 (このIDを非表示/違反報告)
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