Episode 3−39 ページ39
【No side】
バリバリ、グチャグチャ、ビシャビシャ
細く薄暗い道で、音が聞こえる。何かを踏み潰し、噛み砕いて、捕食する。そんな得体のしれない音。
「またなの？」
細い道の先を睨みながら、妖艶な女は呟いた。
女の視界の先には、緑色のツナギを赤い液体で汚す獣。
見た目は人間と大差ないが、女の声に振り返ったソレは、口に人間の指と思われるものを咥えて快活に笑った。...獣すぎる。
「ちちちっす、色欲の姐さん！」
「飽きないわね、人間を食い殺すだなんていい趣味だわ」
「姐さんも食う？」
「いらない」
汚物を見るような目で手を払われて、獣はえーとつまらなそうに肩を落とした。
「そういう姐さんだって、寄ってきた男を使えるだけ使い潰して消したんやろ？」
「あら分かるの？」
「血の匂いがする」
「...おかしいわね、香水つけたはずなんだけど」
再度確認するように袖に鼻を近づける。
甘い香りが漂って、小首を傾げると、意地の悪い笑い声が響いた。
「うっそーん。カマかけただけ」
「殺.すわよ」
「えー許してやぁ。腕あげるから。ほい」
「いらないっつの」
差し出された人間の腕を払い落とす。
あぁあ、とま抜けた声をあげて払い落とされた腕を拾った獣は、そのまま指にかぶりついた。
女は浅くため息を零す。
「こんなところで油売ってないで。行くわよ、食害」
「おん？ なんか仕事？」
「ご主人様から伝達があったわ。憤怒と嫉妬、それに怠惰が合流しているらしいわ」
「えー！？ 共闘してるってこと！？ ずっる！ ずっるいわぁ！」
大げさに反応する。わざとらしい。
大体、色欲と暴食で手を組んでいるこちら側が文句を言える立場ではない。
しかし、ただおちょくってきているだけなので、そんなことを言っても無駄である。
女は踵を返して、歩き出した。
「消しに行くの。得意でしょ、ゾム」
「ねぇ、姐さん、悪魔って美味しいんかな？」
「知らないわよ。アタシはツラのいい男しか興味がないわ」
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miyaana(プロフ) - 初めまして、今日この作品を発見して一気読みしてしまいました！面白すぎます...。続編も楽しみに待ってます！頑張ってください (12月11日 20時) (
レス) @page40 id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 砂糖里さん» ワクワクしてくれるなんて嬉しすぎます...！！これからも少しずつ更新していくので、どうぞよろしくお願いします...！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 裂けないパ◯コさん» あんばばばっ....嬉しいお言葉....頑張ります頑張ります...これからもこの作品をよろしくお願いします！！！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 碧さん» 返信遅くなり申し訳ないです...！！待ってくれている人がいてくれるだけで嬉しいッ、、これからも頑張ります...！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖里(プロフ) - 更新お待ちしておりました…！とってもワクワクする展開で続きが気になってしまいます！作者様のペースで頑張って下さい(*´꒳`*) (8月22日 7時) (レス) id: bc73dba8c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランス | 作成日時：2022年2月10日 20時
