Episode 3−34 ページ34
【No side】
ゆっくりと、瞼を開いた。
視界に映るのは、木目の天井と、暖光色の光。
上体を持ち上げると、ギシリと重たく骨がなった気がする。
「...死んでない」
まだ気だるさが残っているが、さすがは悪魔の体といったところか。既に回復に向かっていて、軽い筋肉痛程度のだるさだった。
『ぅ...節子ちゃう、それは、ジャッキー・チェンやない...納豆や...』
ふいに声がする。
ショッピが眠るベットに上体だけ預けて、意味の分からない夢を見ている少女がいた。
「＿＿Aさん」
本当に自分が知る彼の人なのだろうか。
姿も声も考え方も、彼の人に似ている。唯一違うとすれば、喋り方。彼の人は中立を自称する似非善人で、中性的な言葉遣いをしていた。
少女の髪をサラリと撫でる。
質感も同じ。長さもどういうわけか彼の人と一緒。
「...悪夢や」
思わず低い声で唸った。
二度と目にすることがないと思っていた希望が、今目の前に存在している。してしまっている。
やるせない気持ちに押しつぶされそうだ。
『...何してるん』
「うわっ」
苦しそうな表情で髪を撫でるショッピを、少女は半眼で見つめていた。
沈黙が続く。
ショッピは、撫でていた手を背中に回して、綺麗な笑みを浮かべた。
「起きてたんすね」
『おいこら誤魔化されねぇぞ。触ってたよね？ ね？ えもしかして私のこと好き？ イケメンだし、まぁ検討はしてやろう』
うわっこういうとこも似てる。
眉根を寄せて、あからさまな表情を作るショッピに、Aは「オイ」と再び咎めた。
『そんな態度できる立場じゃないよ。誰が助けてやったと思ってる』
「俺でーす」
『そうです、しんぺい神です。』
「ちなみに、最初からいたけど気づかなかった？」
顔かけの下で軽快に笑う青年。まじかと項垂れるショッピをよそに、しんぺい神は、分厚いノートを取り出してきた。
「まぁ言わなくても分かるとは思うけど、君の体は回復に向かってる。丸一日寝て、やっと動けるようになった。...悪魔にしては少し遅いな」
「...」
「わけありやな。まぁそれは後にしよう。問題はあの金髪くんの方や」
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miyaana(プロフ) - 初めまして、今日この作品を発見して一気読みしてしまいました！面白すぎます...。続編も楽しみに待ってます！頑張ってください (12月11日 20時) (
レス) @page40 id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 砂糖里さん» ワクワクしてくれるなんて嬉しすぎます...！！これからも少しずつ更新していくので、どうぞよろしくお願いします...！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 裂けないパ◯コさん» あんばばばっ....嬉しいお言葉....頑張ります頑張ります...これからもこの作品をよろしくお願いします！！！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 碧さん» 返信遅くなり申し訳ないです...！！待ってくれている人がいてくれるだけで嬉しいッ、、これからも頑張ります...！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖里(プロフ) - 更新お待ちしておりました…！とってもワクワクする展開で続きが気になってしまいます！作者様のペースで頑張って下さい(*´꒳`*) (8月22日 7時) (レス) id: bc73dba8c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランス | 作成日時：2022年2月10日 20時
