Episode 3-14 ページ14
【No Side】
「あら、あんた何してるんだい？」
ふいに声をかけられる。食材や生活品を紙袋につめ、両手いっぱいに下げていた青年は、よたよたと足取り悪く振り返った。
顔見知りだ。たまに無料で果物をくれる近所のおばちゃん。
青年は、背の低いご老人に視線を合わせるため、荷物を持ち直しながら、腰を下ろした。
「おばちゃん、すんません。今日は荷物が多いんで、貢もんはこれ以上持ちきれんくて……。」
「残念だけど、それはまたの機会にするよ。……それより、あんた大丈夫かい？」
「……何かあったんすか？」
眉を下げ、弱々しく発せられた声音になんとなく嫌な予感を感じた。
「てっきり一緒にいるもんだと思ってたんだけどねぇ……。商い通りで、男どもが騒がしくしておったよ。コネちゃんのケンカだって……。」
グシャリ。
思わず紙袋を持つ手に力が入る。
しかし、目の前のおばちゃんに悟られまいと、すぐに小さな笑みを浮かべ、取り繕った。
「大丈夫。いつものことですから。」
「そうなんかい…？」
「俺がすぐ向かいます。心配せんで。」
そう言い残し、おばちゃんとは別れる。
生活品を買いに来て、たくさんの貢物をもらって、のだかな気持ちで帰路をついていたのに。
ゆっくり買い物もさせてくれないのか。
「殺す。あのクソマスター絶対殺す。」
低い声で呪詛も顔負けに繰り返される言葉。
商い通りに向けて、青年は人並外れたスピードで道を駆け抜けた。
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miyaana(プロフ) - 初めまして、今日この作品を発見して一気読みしてしまいました！面白すぎます...。続編も楽しみに待ってます！頑張ってください (12月11日 20時) (
レス) @page40 id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 砂糖里さん» ワクワクしてくれるなんて嬉しすぎます...！！これからも少しずつ更新していくので、どうぞよろしくお願いします...！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 裂けないパ◯コさん» あんばばばっ....嬉しいお言葉....頑張ります頑張ります...これからもこの作品をよろしくお願いします！！！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - 碧さん» 返信遅くなり申し訳ないです...！！待ってくれている人がいてくれるだけで嬉しいッ、、これからも頑張ります...！ (9月4日 23時) (レス) id: 2ab0d8c443 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖里(プロフ) - 更新お待ちしておりました…！とってもワクワクする展開で続きが気になってしまいます！作者様のペースで頑張って下さい(*´꒳`*) (8月22日 7時) (レス) id: bc73dba8c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランス | 作成日時：2022年2月10日 20時
