Episode1-3 ページ5
『ぶ、豚…?』
「せやでぇ、豚さんやでぇ。君が召喚したんやろ? 俺はトントンっちゅうもんや。」
『は、まさ、か…悪魔…?』
赤いマフラーと異質な豚の被り物が特徴的な、軍服さん。
突然現れたその存在に、驚きと少しの恐怖を交えて聞いてみれば、彼は「はえ…?」と疑問符を浮かべた。
「君が主人ちゃうんか…?」
『私は真っ黒な本を開いただけです…。そしたら、赤く色が変わって…。』
「いややっぱ君やんけ。」
『……そ、そうなんですか…?』
二人して首を傾げる。
何だか異様な雰囲気だけど、面白くなってきてしまった。
豚の被り物も相まってだろうか。
何とか笑いを抑えていたら、沈黙が続いた。
しばらくすると、軍服さん……トントンさんは、口を開き、苦笑いで私を見た。
「その本に魔力を注ぎ込みながら、開く。それが悪魔召喚の儀式や。まさか無意識にそれをやったんか?」
『多分………。でも、やろうとは思ってたんです、悪魔召喚。』
「やろうと思ってた…? そう簡単にできるもんやないやろ………。……んふふ、ごめ、ちょっと面白くなってきたわ。」
思わず、と言った様子で笑いを零すトントンさんに、私もつられそうになる。
「俺のマスターさんは素人さんなんやな。」
『な、なんかごめんなさい。』
「いや、ええんよ。無意識に召喚を成功させるなんて才能やで。俺は有能が好きや。___それに、」
そう言って、続きを濁すトントンさん。
あれ…? どうしたんだろ…。
『トントンさ、』
「……ご主人、初戦みたいっすよ。」
『え…?』
口調は穏やかだが、少し雰囲気が固くなったトントンさんの目線を追うと、
炎を全身にまとった猛獣が姿を現していた。
714人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なと(プロフ) - 運命/パロありがとうございます…!イケメン好き主人公とっても好きです!設定への落とし込み方楽しみにしつつ次作読みます! (12月3日 22時) (レス) @page48 id: 325b0ea001 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - ピット☆さん» 素敵だなんてっっ!嬉しすぎます!コメント、ありがとうございました〜!!m(_ _)m♡ (2022年2月10日 20時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - とても素敵な作品なのでこれからも頑張ってください!更新お待ちしてます! (2022年1月29日 13時) (レス) @page48 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
ランス(プロフ) - runvaさん» うわ〜〜〜!!!嬉しすぎます……!!!表現は特に試行錯誤したのでそう言ってもらえて良かったです♪励みになります!コメントありがとうございました〜!!! (2022年1月2日 16時) (レス) id: e1502b08a4 (このIDを非表示/違反報告)
runva - 戦闘時の表現、設定の細かさ、内容の濃さ、どれを取っても良いものしかありませんねぇ!更新頑張ってください!続きが出るまでループしてます! (2022年1月2日 0時) (レス) @page48 id: 409c60bc95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ランス | 作成日時:2021年10月12日 15時