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少しすれば北斗の表情もだいぶ穏やかになって､ぐっすり眠ってくれてひと安心した｡
そんな北斗を見守りつつ､ダイニングテーブルの方に向かい椅子に座った｡
『ありがとう､樹｡』
キッチンから出てきたきょもはそう言って俺にマグカップを差し出してきて､礼を言って受け取った｡
『きょもが頼ってくれてうれしいよ｡』
『...俺じゃ､役立たずだから｡』
そう言ってきょもは歩き出して北斗の側に座り､北斗を見つめた｡
『...してもらうばかりで､こういう時何もしてあげられない｡』
『...きょも｡』
『...自分の無力さが本当に､嫌になる｡』
そう言ってきょもは手を伸ばして北斗の頬に触れた｡
そんなきょもは少し切なくて､俺はマグカップをテーブルに置いて立ち上がった｡
『...北斗がどうしてほしいかとか､そういうのは俺にも分からないけどさ｡』
そう言って俺はきょもの横にしゃがんだ｡
『でもさ｡北斗はどんな瞬間もきょもに側に居てほしいって思ってて､きょものどんな瞬間にも側に居たいと思ってる｡それはハッキリと分かる｡』
『...｡』
『きょも｡』
そう呼ぶときょもは北斗に触れている手を引っ込めてこちらを見た｡
『北斗はさ､きょもに何かしてほしくて側に居てほしいって願ってるわけじゃないと思うんだ｡』
『...｡』
『きょもは､何かしてほしくて北斗に側に居てほしいって思ってるの??』
『...違うけど｡』
『そうだよね｡それにさ､きょもは何もしてあげられてないわけじゃないよ??』
そう言うときょもの眉は下がった｡
『きょも｡きょもは北斗の隣に居て､幸せ??』
『...幸せだよ｡』
『北斗もきょもの隣に居て､幸せそうだよ??』
『...｡』
『...確かに｡北斗ときょもの未来は厳しくて､辛いことも苦しいことも｡俺たちが想像することなんて簡単に超えるくらいたくさんあると思う｡』
『...｡』
『...隣に居る愛する人と共に生きてる｡泣きたくなる日々も｡変わらず､同じ時間を生きる｡それってとっても幸せだけど､簡単じゃないでしょ??』
『...うん｡』
『...愛するべき時に愛する人に出逢えたことはとても難しいことだから｡』
『...｡』
『...きょもと北斗､二人の強い意志があれば大丈夫だと思うよ??』
『...樹｡』
『それが愛でしょ??』
そう言うと相変わらず眉は下がりっぱなしだが､それでも少しだけ表情が和らいだ気がした｡
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seri(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます｡今､外しました｡今回､外し忘れていたみたいです｡ (2019年9月16日 10時) (
レス) id: 3d0ba2a134 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか？ (2019年9月16日 10時) (レス) id: 6cf0053b79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2019年9月16日 9時
