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次の日、車を借りて向かったのは海辺に建つペンション。

知り合いに借りることができて、好きな海を時間を気にせずに見てほしくて頼み込んだ。

『寒くない??』

『全然!』

そう言ってフェンスに寄り掛かり目の前に広がる海を京本は見つめている。

『本当に、京本は海が好きだよな。』

『特に北斗と見る海がね。』

そう言って京本がこちらを見て、俺は小さく息を吐いた。

『サラッとそういうこと言ってくるの、本当にズルい。』

『そう??』

『そう。』

そう言って俺は京本の隣に立った。

『...誰も居ないね。』

『そうだね。』

『...贅沢だ。』

『頑張ったからこれくらいいいんじゃない??』

そう言うと京本はこちらを見つめてきた。

『...頑張ってるかな??』

少し不安げにそう聞いてきて、俺は京本の手をぎゅっと握った。

『京本はいつも頑張ってる。』

『...。』

『だから、こうやって好きなことを好きなように好きなだけやってもバチは当たらない。』

そう言って微笑むと京本は再び目の前の海を見つめた。

その横顔は美しくどんなに見つめていても飽きないほどだと思った。

『...本当に、俺にはもったいないな。』

そう呟くと京本はこちらを見た。

『何が??』

『んー、京本が。』

『俺が北斗にはもったいない??』

『ん。』

『...逆じゃない??』

そう言われて俺は手を伸ばして頬に触れた。

『逆じゃない。』

『...。』

『...俺にはいつだって、京本は高嶺の花だった。』

『...。』

『...うーんと、高いところにある花。』

『...。』

『...まさか、叶うとは思ってなかった。追い付きたくて背伸びして。そしたら、この恋を拗らせてた。』

そう言って俺は京本の頬を優しく撫でた。

『...好きになって、好きになってもらって、こうして側に居られて。本当に幸せなんだ。』

『...俺もだよ??』

『...京本。』

『...ん??』

『...俺は京本が一番大切だから。』

『...。』

『...それが苦しい時は、ちゃんと言ってほしい。』

『...っ..。』

『...俺の為じゃなくて、自分の為に。京本が苦しいのは嫌だから。』

『...北斗。』

京本はそう呼んで手を伸ばしてきて、俺の頬はその両手に包まれた。

『...京本。』

そう呼ぶと顔がゆっくり近づいてきて、温かくてやさしいキスをもらった。

そしてゆっくり唇が離れていき、目が合った瞬間に京本は幸せそうに笑った。

そんな京本はやっぱりいとおしくて、俺は引き寄せて抱きしめた。

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seri(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。今、外しました。今回、外し忘れていたみたいです。 (2019年9月16日 10時) (レス) id: 3d0ba2a134 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月16日 10時) (レス) id: 6cf0053b79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:seri | 作成日時:2019年9月16日 9時

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