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秋は少し風が冷たくなってくるが､それでも目の前に広がる季節の風景はほどよく力を抜けさせてくれる｡
そんな風景を見つめている瞬間は､他の誰かと何も変わらない気がする｡
『きょも｡』
『んー??』
『幸せ??』
そう聞かれて俺は慎太郎の方を向いた｡
『...それ､高地が聞いてた延長戦??』
『...聞いてたの??』
『何となく､ね｡』
『...ごめん｡』
『別に慎太郎が悪いわけじゃないでしょ｡』
そう言って俺は正面を向き直して､ゆっくり立ち上がった｡
『...初めて自分の病気のこと知った時､離れようって思った｡グループも北斗からも｡でも､みんな許してくれなくて｡』
『当たり前じゃん｡』
『...今でもそうなんだけどさ｡怖いんだよね｡幸せすぎて｡』
『...｡』
『...同じ未来をいつまで一緒に抱いていけるのかなって｡』
『...きょも｡』
『...その溝だけはこれからどれほどのことを乗り越えても､埋まらないんだよね｡』
俺がそう言った瞬間に風が吹いた｡
『...雨が降れば､全部流してほしいと思う｡風が吹けば､何もかも無かったことのように掻っ攫ってくれないかなって思う｡』
『...｡』
『...慎太郎｡』
そう呼んで俺は振り向いて慎太郎を見つめた｡
『...俺はすごく幸せだよ??愛する人の隣に居られてる｡頑張って自分を見繕う必要がないくらいに心をさらけ出せる仲間が居る｡』
『...｡』
『...自分に残された時間が僅かなら､側を片時も離れずに全ての愛を捧げて尽くしてあげたい｡グループにも北斗にも｡』
『...｡』
『...すごく怖いけど､みんなが居れば､北斗が居れば｡俺は何だって耐えられると思うから｡』
そう言うと慎太郎は何だか泣きそうな顔をしていた｡
『...何で泣きそうなのさ｡』
『...きょもが優しい愛をくれるから｡』
『...何だよ､それ｡』
そう言いながら俺は慎太郎の前にしゃがみ､手を伸ばして髪を撫でた｡
『...慎太郎は大きくなっても､やっぱりどこか可愛いよね｡』
『それ､褒めてる??』
『うん､全力で｡』
そう言って笑うと慎太郎も笑ってくれた｡
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seri(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます｡今､外しました｡今回､外し忘れていたみたいです｡ (2019年9月16日 10時) (
レス) id: 3d0ba2a134 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか？ (2019年9月16日 10時) (レス) id: 6cf0053b79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2019年9月16日 9時
