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明日をいきたかった少年が。
いつか、空へ高く舞った。
深く昏い青色で。
ふわりと浮く感覚が少しだけ気持ち良くもある。
冷たく流れる色の感覚に酔いしれる。
紫煙を飲む時と同じくらいクラクラしてくる。
それが彼なりの1番で。
1番になれた瞬間で。
生まれてこの方いちばんになんかなれなくて。
けど、1番になりたかった。
かけっこで1番にゴールテープを切りたかった。
サッカーで1番多く点を取りたかった。
ゲームが1番うまいって言われたかった。
舞ったら止まることなんて考えなくて。
止まるなんてできなくて。
ゆっくりと落ちてゆく。
思考の海を捨て、舞い上がった。
胸いっぱいに群青を吸い込み、体さえも群青に染める。
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作者名：rey | 作成日時：2022年9月5日 19時
