不器用人生２ 【赤】

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そんな感じで始まったAを入れての練習。


どうしても求めるものもあるし、

たまにきつく言ってまう事もあったけど

Aは女子特有の泣いたりとか、

落ち込んで周りに気を使わせるような事はなかった。


そんなひたむきに、

俺達の求めるものに近づこうとする姿に

また心惹かれて

全然思うてたよりも順調にﾗｲﾌﾞに向けて進んでった。



合わせる度に感じる確かな手ごたえと、

みんなの士気。


初めての舞台に立つ前には

Aは既にみんなの中でサポートというより

俺らのメンバーになっとった。



そんな中迎えたAを入れての初ライブ。

横もヒナも心配する中、

意外に緊張してるように見えなかったAに

頼もしいとすら感じとったけど、

本当は違かった。



本番前、みんなで円陣を組む。


一人づつと握手をする時、

Aの手は震えてた。


渋「...大丈夫や。俺がおるから。

不安になったり緊張したら、俺の背中みとけ」


握手した手を引き寄せて、

耳元でそう言った後

反対の手で背中をﾎﾟﾝﾎﾟﾝと二回たたく。



顔をみると、少し安心したのか

笑顔になっとった。


ステージに上がり、

熱気渦巻くﾗｲﾌﾞの中

俺は何度か振り返ったけど

みんなとｱｲｺﾝﾀｸﾄをとったり、

客席をみて笑顔になれるほど

Aはﾗｲﾌﾞを楽しんどった。




終わった後、


錦「A！！めっちゃよかったやん♪」


安「ほんま、惚れるか思ったー♡」


大「安まじか！！俺もやで！！」


丸「今夜、丸山のここ、空いてますよ♡」


って次々に褒めるメンバーの言葉に喜んでたAに


渋「はじめてにしては、まぁよかったんちゃう？」


なんてそっけなく言ったけど、

俺の性格理解しとるからか

Aはその言葉にとても喜んだ。


村「Aっ！！！」ﾊﾞﾝ！！


大「あっ村上く…」


村「よぉーやった！！よーやったぞ！！」ｷﾞｭｰ


渋「ちょっ！！お前いきなし楽屋入って来て何してんねん！！」


安「ほんまやでっ！ちょっ離れて！！」


錦「ほんでなんでこの人は泣いとんの？(笑)」


横「やって…Aめっちゃ頑張っとって…」ｸﾞｽ


丸「もぉ〜ゆうちん泣き虫さんやなぁ♪」



その日はそのままみんなで打ち上げをして

なんだかんだ理由を付けて連れて帰ったAに

言葉では言えん分、

沢山愛して、体で伝えた。


それが幸せな気持ちで居れる

最後の夜やった。

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