不器用人生２ 【赤】

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かっこわる...。


自分からは誘えへんのに、

もしかしたら会いたいとか言われるんちゃうかって

期待してたとか、ほんま笑えるわ。


飯、食いに行くことになったってゆうてたんて

ヒナんち泊まった時やから秋やったよな…


それで今日、ｸﾘｽﾏｽｲﾌﾞにデートしてるって事は

上手くいってるって事なんやろうな…



地面を見て歩いてたんを顔を上げると

ﾁｶﾁｶとｸﾘｽﾏｽの飾りつけされとる駅前を

行き交う人が楽しそうに歩いとる。


誰もｲｴｽさんの誕生日なんて関係ないのに

何がｸﾘｽﾏｽやねん…


賑わう町の中を家に向かって歩いていく。


気持ちとは裏腹に

寒さで鼻まで隠したマフラーの中で

小さな声でｼﾞﾝｸﾞﾙﾍﾞﾙを口ずさむ。


…前にAと歩いてた時

俺の鼻歌のｼﾞﾝｸﾞﾙﾍﾞﾙに合わせてAが揺れて

めっちゃ寒かったんに苦じゃなかった

そんな帰り道もあったっけ…


あれは…付き合う前やったかなぁ〜…




Aの横にはもぉ違う男が立ってるんやな…


散々違う女を抱いてきた俺やけど

やっぱりAが他の男のもんになるんは嫌や。



でも俺の側に居るよりは…

あいつにとったらええんやろな。


そんなん思っとるくせに

女々しい事すんな〜って自分でも思いつつ、

ポッケから携帯を取り出して

一言だけﾒｰﾙを送った。


”メリークリスマス”



伝わるやろか？

伝わらへんわな。


メリークリスマスA。

幸せになれよ。



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