不器用人生２ 【赤】

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・安田side


一人家に帰されてしまったけど

家に着いてもなんかﾓﾔﾓﾔしとって

寝る前にAに電話をした。


でもAは出んくて

少ししてやっと来た折り返し。


『もしもしっごめんね電話…』


安「何してたん？」


『ん〜ぼーっとしてた』


安「なんかあったんちゃうの？」


『.....なんかって？？』


安「そりゃなんか…」


『んん...』


安「あったん！？」


『ってか章ちゃん！風邪気味なんだから

早く寝なきゃダメなんだった！』


安「大丈夫やからお話して？」


『だめだよっ！

ごめんねっ今度はなそ？？』


安「....わかった。」


『章ちゃんおやすみ♪』


安「おん。。おやすみ〜」





そんな余計寝付けんくなる話を聞いて電話切って

ベットに横になりながら

天井を見上げる。


ふと体を横向きにして枕元の机の上にある

大倉とおそろいのｱｸｾｻﾘｰを手に取り

それを顔の前でじっと見つめてから目を閉じる。


少しして目を開けて視線を泳がせると

今度は新しい曲を書きかけのﾉｰﾄの上の

イチゴのペンが目に入る。



...どっちが恋で、どっちが友情なんやろ。


長い事一緒に居すぎて分からんくなってもうた。



大好きやった大倉に

何度も彼女ができて

その度落ち込んで

でもそん時は唯一気持ちを知っとるAが慰めてくれて。

”別れてもうたー…”

って凹んでる大倉の話を聞いては

少しほっとしてる自分の性格の悪さに凹んで

それが普通だよって、またAに励まされて…


”安はなんで彼女作らんの？”

ってよう言われるようになった時

作らなあかんきがして女の子と付き合ったら

本気で怒られたりもした。


『章ちゃんが本当に好きだったり、

付き合いたいって思ったならいいけど

ただ周りの目の為だけに付き合うなら

彼女になった子にも、章ちゃんの恋にも失礼だよ！』


ほんまその通りやと思って、

すぐにごめんなさいって言ってその子とは別れた。





ただ最近思う。

俺、別に男が好きで女の子が嫌いな訳ちゃう。

ただ、大倉が好きやねん。

他の男にもｷｭﾝｷｭﾝする訳ちゃうし、

女の子と同じようなもんは好きやけど

女の子になりたい訳やなかった。


たまたま俺が男やけど、

好きになった大倉も男やった。

そんだけの事。


結構長い時間かかってそれに気付けたんは

きっと…

たまたま女の

Aに対する気持ちに気付いてしまったから。


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