不器用人生２ 【赤】

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『...えっ..えっ？？』



腕の中で慌てふためくこいつを

今の俺は離してやるつもりはない。


酔っ払いのやった事位に思われてもええから、

久々に抱きしめる事のできたAの感覚を

そう簡単に手離なせん。



おっちゃん、おばちゃんはおらんし、

安は帰ったし、

ヒナは今風呂いったばっかやし

当分は２人きり。



誰にもバレへんこの時間なら

少し位こうしとってもええやんか。



『すばるくん…？』


渋「ほんまにノーブラやな(笑)」


『ちょっとー！』


って言いながら全力で俺の胸を両手で押してくるけど

笑いながらそれもかわしてむしろめっちゃ力強く抱きしめる。


『...酔ってるんでしょ？』


渋「むっちゃ酔ってる」


ほんまはもぉそない酔ってへんけど。


『明日には…忘れちゃうかな？』


渋「どうやろな〜？？」


そう言うと一瞬顔をこっちに向けて見てくるA。

俺がほんまに酔ってるか確認しとるっぽい。


こっちみとる顔を手で頭抑えてもっかい俺の肩あたりに寄せて


渋「誰にでもﾎﾟﾝﾎﾟﾝさすな」ﾎﾞｿ

って小声で言ったった。


『えっ？？なに？？』


渋「お前、わざとなん？？」



俺がキス見せてまって怒っとるから

わざと家に安居るの見せたり

ヒナに頭ﾎﾟﾝﾎﾟﾝﾜｼｬﾜｼｬされたりしとるん

俺見せられてるん？


もしそうなら、作戦大成功やぞ。

俺の感情かき回されまくっとる。





『なんの話？？』


渋「さぁな」


『もぉ酔いすぎて会話にならないじゃん(笑)

そろそろ離して〜』


渋「嫌」


『....酔って誰かと間違えてるんじゃないの？』


渋「は？？」


『....こないだの子とか』


渋「あれは…あいつはなんでもない

名前も覚えとらんし」



『名前も知らない子とﾁｭｳするんだ』


渋「まぁな」


『最低〜』


渋「やって…」


『やって、なに？？』



渋「ほんまにしたいやつとは、

でけへんねんもん....」




そう言ってAを見る。


これも酔った勢いやって思ってくれるかな…



久々に抱きしめた嬉しさと苦しさで

俺の理性なんかとうに吹き飛びそうで

ここまで平然と話しとるフリをしとった自分を

褒めてやりたい。



少しして、俺の方を向いたAと目が合って


”それって…”

って続きを言おうとしているAの口を

キスで塞いだ。




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