不器用人生２ 【赤】

73 ページ23

・

村「もぉ〜早よせぇって〜」


横「わかっとる、わかっとるって」


村「どんだけ悩んでんねん」


横「もぉ〜そんなｶﾘｶﾘしとったら血圧上がんで？？」


村「すばるもなんかゆうてぇや」


渋「そんなもん何こうても同じやろ…」


横「全然ちゃいますぅ〜！！」ﾌﾟｸー



目の前で、

男のくせにやけに赤くてﾌﾟｯｸﾘした唇を尖らせて

さっきから最近できたらしい彼女へのﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを

選んでる横に付き合って

早数十分。


ヒナの八重歯はどんどん伸びてきて

もぉそろそろ角でも生えるんちゃうかって

感じやった。



こないだの女にキスしとんの見られてから数日。

今週は練習がないからまだあれからAには会ってへん。


こんな時に限ってあいつらがテスト期間入るとかで

次のﾗｲﾌﾞまで少し日数あいとって

わざわざ

”こないだみたのちゃうから”

なんてﾒｰﾙすんのも変やし、そのままなんもせんと過ごしてた。



村「大体なんで初プレゼントが湯たんぽやねんww」


横「寒がりな子なんですぅ〜」


村「それにしても早いやろ。まだ秋やで？」


横「女の子は秋でも寒いやろ？？」


渋「そういうもんかなぁ〜…」


”決めた！！こうてくるっ”

って笑顔でレジに向かう横の姿を見て

ちょっと羨ましく思う。


なんか楽しそうやなぁ…


村「俺も買うたるかな〜」


渋「あれ？お前今彼女おるっけ？」


村「んにゃ？今は仕事で成功するんで精一杯やからな！」


渋「じゃあ誰に買うん？ﾏﾂｺか？」


村「ﾏﾂｺは自分で発熱しとるのか、いつも暑がっとるわ(笑)

A。いつも寒い〜ゆうとるから。」


あぁ…

そう言えばあいつ手もよう冷たくなってたもんな。



横「お待たせ〜♪」


村「おぉ横っ俺もやっぱり……」


渋「よこっ！！」


村・横「ん？？」


渋「お前、なんか最近痩せたんちゃう？？」


横「おっ分かる〜？？腹筋もついてん♪」ﾆﾔﾆﾔ


村「腹筋やったら負けんけどな！！」



２人で服めくって店ん中なのに

腹筋見せ合おうとするのを、

出でからにせえやって言って店を出る。



....なんとなく。

ヒナがあれ買って帰って

喜んどるAを想像したら買わせたなくて

話題変えてもうた。


その後適当に３人で飯食って

彼女に会いに行く横をヒナと見送った帰り、

さっきの店の前を通ったから

”俺灰皿買うてくる”

って嘘ついて

一人、中に入った。


・

74(あなたside)→←72

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す