不器用人生２ 【赤】

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ほうほうほうほう。



今日は花束ってか。


ようやるわ、あのおっさん。

絶対34歳なんて嘘やわ。

下手したらサバよんどんの１０やそこらじゃきかんのちゃうか？



大体、花束ってそう簡単に渡すもんちやうやろ。

普通の男はそういうん普通にやるんか。

おっ？？


....別にええけど。


ファンにﾔｷﾓﾁ妬いてもしゃあないし。



...って誰がﾔｷﾓﾁ妬いてんねん！

妬いてへんぞ俺は！！


....



はぁ...今日ヒナが来てないから

誰も突っ込んでくれんし、自分で突っ込んでもうたわ。


横もヒナもいつも来とるくせに

なんで今日来てへんねんっ！



ふと視界にさっきまでAが持っとった花束が入る。


ソファーにいったんそれを置いたAは

帰る支度を始めてた。



今日のﾗｲﾌﾞはホンマよかった。


最近やってたﾗｲﾌﾞは練習の時怒ったりしてたんもあって、

ﾗｲﾌﾞも間違わへんようにって緊張してて

なんか縮こまってたけど、今日は違った。


始まる前、いつも通りにメンバーと握手をして回る時

付き合ってた頃のﾗｲﾌﾞ前、

Aが手を握ってくれてたんがなくなった分

いつもAとの握手はより強く握ってた。



いつもの様に握手をする時

やっぱり緊張しとるAに、

渋”俺が褒めたんやから自信もって弾け”

ってゆうたら、

強張ってた顔は笑って、

その後は、初めてｻﾎﾟｰﾄに入った時みたいに

楽しんで弾いてるみたいやった。



…一言いいたいんやけどな。。


舞台袖とか、楽屋とか

なんとなく他のﾒﾝﾊﾞｰがおる前で言いづらくて

言えずにここまで来てしまった。



みんなの帰る支度が終わり、楽屋を出る。


ﾗｲﾌﾞﾊｳｽの人や対バンした奴らに挨拶しながら歩いて

出口に向かいながら、どうしたもんかと思ってた。


あっ。


今日ヒナ達来てへんから

帰り２人やん。


そこで話せばええわ。


渋「お疲れ様っしたー」


出口付近にいた最後のスタッフさんに挨拶をして

先頭で扉を開けた。



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