不器用人生２ 【赤】

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別れを告げた日。

気持ち固めてから会ったつもりなんに

笑顔のAみたら言えんし

繋いできた手をふりほどけんくて

無駄に買い物とかしてから家に着いてしまった。


最後やし…最後やから…

もし最後やなくても当分は繋げへんと思うから…

この手の感じ覚えとこ。


そう思いながら自分の手見とったら、

冷蔵庫に買って来た飲み物をAが入れ始めて呼び止める。


これ以上長く居ったらあかん。


気持ちも揺らぐし抱きしめてまうかもしれん。


突然別れを告げられて、理解をできず泣くAを

抱きしめてやることも、

背中をなでてやることも

納得のいくような理由と言ってやることも出来ない俺は


渋「…すまん。俺ちょっとでるから…

落ち着くまで居ってええから。」


そう言い残して部屋を出た。


外にでてポッケん中で手を握り締めて

溜まった涙がこぼれない様に

上を向いて歩く。


途中近所の家の犬が、

俺が前通った時吠えようとしたけど

なんでか顔をみて泣くんをやめてた。


渋「犬が空気読むなや…」


吠えられた方がどんだけましか。

Aも俺の事なんか、

一回嫌いになった方がええんやろな…。





”すばるくんっ！！”


ん？？


振り返るとそこにはA。


”今日の夜ご飯何にしよっか？？”


えっなに？？


渋「えっ…俺の話聞いてた？？」


”話？？”


そう言いながら手を繋いでくる。


渋「さっき俺別れようって…

ってそんな手、揺さぶんなやっ」




あっ…


ちゃうわ。


ﾕｻﾕｻ…ﾕｻﾕｻ



渋「.......」



女「あっやっと起きたー！！」


渋「えぇ夢みてたんに…」


女「だって全然起きないんだも〜ん」


なんや”も〜ん”って別にかわいないぞ。


女「まだ寝てく？私先にホテルでていい？？」


渋「あぁええよ…

もぉちょい寝てでるわ…」


女「そう？？じゃあね〜♪」



女が出てって、一人布団の中でもう一度瞼を閉じる。



寝返りをうつと、

さっきまで体を重ねてた女の付けてた

甘い強めの香りが少し舞う。



…久しぶりにあの頃の夢見たな。


どっからが夢やったんやっけ…



あぁ…


あの犬の所や。


あいつ初め吠えんかったのに、

じっと見とったら吠えよったもんな。


また吠えられてもええから、

その続きから見せてくれんかな…



そんな事をうっすら考えながら

また眠りについた。



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