クイーニー ページ20
「ふう」
ティナはコートを脱いでコート掛けに掛ける。
ニュートはやや遠慮気味に俯いて窓際に体を寄せた。
ジェイコブは部屋を見回して目を輝かせている。
暖炉の前で勝手に編み物がされていき、乾かしている洗濯物はふわりと浮いている。
何から何まで魔法、魔法。
珍しくて面白くて夢にいるみたいだ、という顔をしている。
「あら、ティナ。殿方を連れてきたの？」
奥の扉の向こうにほとんど下着姿のセクシーな女性が。
ジェイコブはゆっくりとその姿に魅了されていく。
「ええ。まず服を着たら？クイーニー？」
クイーニーの格好に呆れたのか苦笑しながらティナは言った。
「ふふっ、そうね」
そう言うと、クイーニーはマネキンに着せてあった服を杖で自在に操り、優雅に着始めた。
ゆるやかに指先を袖に入れ、腕を通す。
普通に服を着る時の音はなく、ただスルスルと柔らかい音が小さな音で耳に届く。
なおもジェイコブは見とれて、にっこり微笑むクイーニーに手で会釈した。
着替え終わったクイーニーの視線の先に立ち、ティナはニュートとジェイコブを紹介する。
「こちらはニュート･スキャマンダーさん。第3のAを侵したの。そしてこっちはジェイコブ･コワルスキーさん。ノー･マジよ」
「犯罪者とノー･マジ、ってこと？すごいわ！」
「ま、そういう事ね」
もうわけわかんない、と肩を竦めてキッチンに向かうティナ。
「で、私の妹。クイーニーよ」
そうティナが紹介し終わった直後、私からお腹の間抜けな音が鳴る。
間抜けな音に続いて、驚いた私はもっと間抜けな悲鳴を漏らした。
「あら、もう1人いるの？」
私を見てふふふとクイーニーが笑う。
「あ、そういえば名前を聞いてなかったわね。教えて？」
ティナがホットドッグを作りながら振り返った。
あぁ、恥ずかしいったらありゃしないわ…屈辱的…。
私はお腹を隠しながら答える。
「A･フレイキルよ…」
恥じらいで真っ赤にした顔を背けて隠した。
そのフレイキルという名前にクイーニーは反応する。
「フレイキル…フレキの末裔…？」
何か思い出そうとするようにクイーニーは目を細めて私を見つめた。
「…知ってるの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるかかなた(プロフ) - あのー、人狼表記だとハリポタ設定ガン無視なんですが。リーマスの設定が無視されることになるし、人狼は危険魔法生物で出くわしたら災厄ってやつです。そこが引っ掛かって、楽しんでよめませんでした。すみません。 (2022年5月20日 9時) (
レス) id: 7585a0f391 (このIDを非表示/違反報告)
れんすけ - クイーニーではなく、クイニー。グランデルヴァルドではなくグリンデルバルドでいいと思います。 (2018年12月5日 18時) (レス) id: 4bd8d4113b (このIDを非表示/違反報告)
ナナーナ - クイニーの名前間違えてますよ (2018年12月1日 18時) (レス) id: e0eb430469 (このIDを非表示/違反報告)
孝山火乃子(プロフ) - アンティークさん» ホントですか！？嬉しい限りです...！ (2017年3月8日 20時) (レス) id: 363c0e75b4 (このIDを非表示/違反報告)
アンティーク - 夢主の入れかたが良いですよね！ (2017年3月8日 20時) (レス) id: 604c106721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：孝山火乃子 | 作成日時：2017年2月19日 4時
