狼の子 ページ14
場所は移り、とある通り。
ニューヨークということもあって人通りが多い。
「……」
ティナはつかつかと早足で歩く。
ニュートもその後をついていく。
と、2人の上を何か青くて芋虫のような……でも羽があり、飛んでいる。
───無論、魔法動物なのだが。
「…ねぇ、あれって」
そう言っている間に芋虫は飛んでいった。
「あー、ええと、蛾だよ。きっと。大きな蛾だ」
あまりにも苦しい言い訳を語り、ニュートは目を泳がせた。
(ビリーウィグまで逃げてる?あぁ、大変だよ…!)
と、いきなり首筋を舐められる。
「ひゃっ」
いつの間にかAがセーターの中に入っていたようだ。
胸元にいる狼の子供のような格好のAを撫でる。
「…A。狼に戻りすぎ。赤ちゃんじゃないんだからちゃんとしてて」
見えないように狼の子供の姿のAの首をつまんで持ち上げ、ポケットに入れる。
ぽんぽんと撫でるように優しくポケットを叩いた。
するとAは指を捕まえ、甘く噛んでくる。
「…っくすぐったいよ。後で遊ぼう、ね?」
Aは狼になりすぎると心まで戻ってしまう。
やはり遊びたい気持ちは犬のような愛らしさがあり、身内──ニュート──を守る気持ちは勇ましい狼だ。
普段なら頼もしいが、その感情が出すぎることで分別がつかなくなることもある。
だから人間に戻してやることが必要だ。
「…トランクが戻るまでもう少しだ。トランクでみんなと遊びな」
えへへ、と目尻を下げて心底嬉しそうに笑った。
人語を喋ればいいのに、とあざといAを見つめてつい頬が綻ぶ。
だがそんな微笑ましい空間の目と鼻の先には騒然とした空間があった。
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はるかかなた(プロフ) - あのー、人狼表記だとハリポタ設定ガン無視なんですが。リーマスの設定が無視されることになるし、人狼は危険魔法生物で出くわしたら災厄ってやつです。そこが引っ掛かって、楽しんでよめませんでした。すみません。 (2022年5月20日 9時) (レス) id: 7585a0f391 (このIDを非表示/違反報告)
れんすけ - クイーニーではなく、クイニー。グランデルヴァルドではなくグリンデルバルドでいいと思います。 (2018年12月5日 18時) (レス) id: 4bd8d4113b (このIDを非表示/違反報告)
ナナーナ - クイニーの名前間違えてますよ (2018年12月1日 18時) (レス) id: e0eb430469 (このIDを非表示/違反報告)
孝山火乃子(プロフ) - アンティークさん» ホントですか!?嬉しい限りです...! (2017年3月8日 20時) (レス) id: 363c0e75b4 (このIDを非表示/違反報告)
アンティーク - 夢主の入れかたが良いですよね! (2017年3月8日 20時) (レス) id: 604c106721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:孝山火乃子 | 作成日時:2017年2月19日 4時