時計の中の小町３(番外編) ページ45
「紅丸…お前以外の人達はなァ……俺の娘を可愛いって言うんだ……お前だけなんだぞ……お前だけ……」
「四月馬鹿、"世辞"って言葉知ってるか」
お世話じゃねェェエ！とガンガン畳を叩く
大の大人を紅丸と紺炉は冷ややかな目で見つめた
ここまでくると涙崇が可哀想な気がするので
紺炉は少しだけフォローを入れた
「お前の娘は別嬪だが、なんせ目線がコッチを向いてねェんだ。そりゃア紅も首を縦には振らねェだろ」
「目線が合ってても俺は首を縦には振らねェ」
「………カメラ目線ならいいのか？」
スッと上体を起こして涙崇は懐中から
銀色の懐中時計を取り出した
後ろには龍が菊を守るような紋章が彫られている
この紋章はアナスタシア家の人間だという事を
証明する物だ
豪快で煩くて派手好きな涙崇は浅草の人間だが
この紋章を見るとやはり彼が
アナスタシア家の人間なのだなと
改めて思い直された
「お前ら良く見とけ、コレが俺の娘だ」
蓋を開ければ原告式の時計盤に
カチカチと時計針が動いている
その懐中時計の蓋の裏に写真が貼ってある
それは真紅の薔薇を持って
此方に微笑みかけている涙崇の娘がいた
「……………」
「……………」
月光の様な輝く髪に
まるで宝石を嵌め込んだような青い瞳
顔立ちのいい涙崇の嫁に似て
整った容姿を持つ彼女はやはり美人だ
「どうだ？嫁に欲しいだろ？」
「……………………いらねェ」
何でだァアと畳の上にひっくり返る涙崇に
苦笑いする紺炉
あの日、縁側に腰掛けひたすら本を読む少女が
こんなに柔らかな表情で
笑う事が出来るのかと驚いた紅丸
「…………」
そう、驚いただけだ
決して心変わりした訳じゃない
心臓の鼓動が少しだけ早いのは驚いたからだ
「(……気に入らねェ…)」
.
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辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます(^^)夢主とリヒトさんの関係はそうであってくれと願って刺の無い黄色の薔薇にしました(^^) (2020年9月22日 23時) (
レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
Yurki(プロフ) - 更新お疲れ様です！凄いです…読んですぐに花言葉調べに行っちゃいました笑いつもありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年9月22日 14時) (レス) id: c534ba0c76 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - かぼちゃさん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて光栄です（ ; ; ）私もカチコミ組押しなのでこれからもどんどん夢と絡ませる予定です(*´-`) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます！更新頻度にムラがありますが今後もどうぞ宜しくお願いします(^^) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ - この作品すごく面白いですね…!!作品が始まった時から毎日密かに見ていました…この作品奥が深くて読んでいてすごい面白くて楽しいし、個人的にカチコミ組めちゃめちゃ好きなので…もう、ほんと、ありがとうございます…(?)更新頑張ってください!!応援してます!! (2020年9月22日 11時) (レス) id: a71fca1158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：辰砂 | 作成日時：2020年9月21日 14時
