125 ページ5
Aが縁側へ出て10分以上経つ
縁側に面しているこの客間から時折外にいる
Aの声が聞こえる
何やら帰る、帰らないの話をしているようだ
紅丸も紺炉も彼女が
今日は詰所へ泊まって行くと思っていた
Aも彼らの邪魔にならないのなら
一晩泊まって行こうかと考えていた
カタンと控えめに障子が開く音がする
「大丈夫か？」
『ええ…』
「……A…」
『ごめんなさい2人とも。急用が出来たわ』
小さなデバイスを握りしめたAの表情は
硬く、何かに焦っているような雰囲気だった
ツカツカとキャリーケースに
デバイスを詰め込んで身支度を始める
「おいおい、こんな夜更けにか？」
「……何があった」
『別に、何も……これから起きるのよ。ごめんなさい、また中途半端なお礼になっちゃったわね』
「1人で帰んのは危ねェだろ…せめて一眠りして」
『そんな時間は無いのよ…ごめんなさい』
ショルダーバッグを肩に掛け
キャリーケースの取手を握る
いくら酔ってないと言っても酒は飲んだし
外は真っ暗、幼女1人がこんな時間に
出歩くのは危険だ
「おい」
『……何？』
Aの小さな腕を紅丸が掴む
笑顔は消えていつもの破壊王の顔になっていた
帰るな、とは言えなかった
彼女にも帰るべき場所がある
それに切羽詰まった表情はタダ事じゃ無さそうだ
対して親しくないAの領域に
足を踏み込もうとは思ってない
「送る」
『いいえ、結構よ。急ぎの用事なの…能力を使うから平気よ』
「………」
「Aは能力者だったのか？」
『ええ、普段はあまり使わないのだけれど…緊急の用事だから…』
未だに腕を掴んでいる紅丸へ離して、と
視線を向けるが一向に離す気配がない
『……今日手に入れた証拠品の解析が終わり次第説明しに来るわ』
「……本当だな」
『言ったでしょ？私、出来ない約束はしない主義なの』
ニコッと笑って紅丸の腕から逃れる
その後2人に改めて礼を言って詰所を出た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます(^^)夢主とリヒトさんの関係はそうであってくれと願って刺の無い黄色の薔薇にしました(^^) (2020年9月22日 23時) (
レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
Yurki(プロフ) - 更新お疲れ様です！凄いです…読んですぐに花言葉調べに行っちゃいました笑いつもありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年9月22日 14時) (レス) id: c534ba0c76 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - かぼちゃさん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて光栄です（ ; ; ）私もカチコミ組押しなのでこれからもどんどん夢と絡ませる予定です(*´-`) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます！更新頻度にムラがありますが今後もどうぞ宜しくお願いします(^^) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ - この作品すごく面白いですね…!!作品が始まった時から毎日密かに見ていました…この作品奥が深くて読んでいてすごい面白くて楽しいし、個人的にカチコミ組めちゃめちゃ好きなので…もう、ほんと、ありがとうございます…(?)更新頑張ってください!!応援してます!! (2020年9月22日 11時) (レス) id: a71fca1158 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：辰砂 | 作成日時：2020年9月21日 14時
