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来客の男は煙草を取り出し火をつけた
ふわりと漂う煙草の煙が玄関の天井へ昇る
「…だが、面白そうじゃねェか」
新門紅丸の答えに男は煙草を咥えながら
ニヤリと不気味に笑った
「…で、何で俺なんだ」
「原国主義者のあんたたちは、これまで聖陽教から不当な弾圧を受けて来たはずだ。その事実を忘れちまった訳じゃねェだろ？」
暖簾の向こうはひたすらに雨が降り続いている
パシャリ、パシャリと濡れた地面を歩く音も
段々と大きくなる
「それとも、皇国の消防官になって犬に成り下がっちまったか？」
「……………」
不敬な来客の挑発に紅丸の眉が寄った
こんな安い挑発なんぞ無くとも紅丸は
目の前の怪しい男と
聖陽教に殴り込みに行くだろう
暴れる事の好きな彼は目の前の男に
暴れて良い口実を貰ったのだ
"行く"、一択以外に無いだろう
パシャッ！と誰かが詰所の前に立ち止った
『やっぱり、此処に居た…』
「…………」
「あ？」
スイっと小さな白い手が暖簾の端を掻き分けて
見慣れた幼女が姿を見せた
「…A？」
『こんばんは、紅丸。夜分遅くにごめんなさいね』
濃紺色のレインブーツを履いて
幼女にしては大きな漆黒の傘を持ったAは
紅丸を視界に入れるとニコッと笑った
「こんな夜更けにどうした？……悪ィが今取り込んでて」
「なんだ、もう起きちまったのか」
「…………」
『私も浅草へ用事があるから、一緒に行きましょうって言ってたのに……』
今取り込んでてお前に構っている暇は無いと
言いたかったが、来客の男とAは
どうやら知り合いらしい
それも会話の内容から察するに
Aと男の仲は親しいようだ
自分よりも高い位置にある男の顔を見上げて
なんだか不機嫌そうな表情をしている
男も男で呆れたような表情で
Aを見下ろしている
『まぁ、いいわ』
Aはふぅっと息を吐いて紅丸に向き合った
肩に掛けていたトートバッグの中から
厚さが2cmはあるんじゃ無いかと思う
書類を取り出して紅丸へ手渡した
『この間の証拠品の解析結果よ。遅くなって悪かったわね』
「…これ全部か？」
『ええ、そうよ…貴方達ってアナログだから態々手間隙かけて紙に印刷したの。私の行為に感謝して欲しいわ』
書類の多さに紅丸は内心ゲンナリした
目の前の幼女は感謝の言葉を言いなさいと
言わんばかりに無い胸を張って腰に手を当てて
紅丸からの謝礼を今か今かと待ち続けていた
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辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます(^^)夢主とリヒトさんの関係はそうであってくれと願って刺の無い黄色の薔薇にしました(^^) (2020年9月22日 23時) (
レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
Yurki(プロフ) - 更新お疲れ様です！凄いです…読んですぐに花言葉調べに行っちゃいました笑いつもありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年9月22日 14時) (レス) id: c534ba0c76 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - かぼちゃさん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて光栄です（ ; ; ）私もカチコミ組押しなのでこれからもどんどん夢と絡ませる予定です(*´-`) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます！更新頻度にムラがありますが今後もどうぞ宜しくお願いします(^^) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ - この作品すごく面白いですね…!!作品が始まった時から毎日密かに見ていました…この作品奥が深くて読んでいてすごい面白くて楽しいし、個人的にカチコミ組めちゃめちゃ好きなので…もう、ほんと、ありがとうございます…(?)更新頑張ってください!!応援してます!! (2020年9月22日 11時) (レス) id: a71fca1158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：辰砂 | 作成日時：2020年9月21日 14時
