139 ページ19
『…A・エル・ロゼット・アナスタシア』
『これが私の名前』
記憶の中の彼女へ名前を聞いたが
思ったよりも三倍長い名前でそれも全て横文字
長い、どれが名前だと幼い紅丸は
彼女へ問うた事は覚えていた
彼女からの返事はどれでも良い、だった。
自分の名前など何でも良い、好きに呼べと
言い放ったあの言葉は
自分の名前など、有っても無くても同じだと
言っている様に聞こえた
「……"ナントカ"・アナスタシア」
「……そりゃア、俺でもわかる」
時(記憶)が俺を
美しい過去へと押し流そうとする
どれほど抗っても
冥々たる濁流(記憶)の中にしか存在しない
アイツに縋って、お前をアイツと重ねてしまう
こんな傲慢な俺をお前は愚者だと笑うだろうか
浅草から帰宅した次の日
早朝にリヒトは第８特殊消防教会へと戻った
昨日の出来事で余韻に浸りたい気分だったが
Aにはやる事が山程ある
東京皇国、聖陽教、灰島重工
アドラバースト、アドラリンク
ジョゼフ家、アナスタシア家
大災害、八柱、生贄、焔ビト、鬼
浅草、パワースポット、海底火山、地震
空間の裂け目、天照、白装束、伝導者
etc、etc……
この他にも来るべき戦闘に向けての
自身の戦闘訓練、準備
考え出せばキリがない……
その他にもAにはやらなくてはならない
"自分自身"の実験があった
『…………この世で形あるモノはいずれ朽ち果てる』
カチャカチャと大きなパソコンの前で
幼女が小さな手を懸命に動かして
キーボードを叩く
その様子をダブルベッドの上で寝そべっている
隻眼の男がダルそうに見つめた
「またAお嬢様の哲学講座か？」
『……違うわ』
パソコンの横に刺さっていたUSBケーブルを
引っこ抜きAは男に投げつけた
男は簡単に片手でソレを受け取りダラリと
腕をベッドへ伸ばした
『貴方の手に入れた情報は間違いじゃないみたい……』
「そりゃア、苦労して手に入れた甲斐があった」
『……でも、どうしてこんなに簡単に入手出来たの？』
「………コレを"簡単"と片付けられるお前の脳味噌はどーなってんの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます(^^)夢主とリヒトさんの関係はそうであってくれと願って刺の無い黄色の薔薇にしました(^^) (2020年9月22日 23時) (
レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
Yurki(プロフ) - 更新お疲れ様です！凄いです…読んですぐに花言葉調べに行っちゃいました笑いつもありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年9月22日 14時) (レス) id: c534ba0c76 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - かぼちゃさん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて光栄です（ ; ; ）私もカチコミ組押しなのでこれからもどんどん夢と絡ませる予定です(*´-`) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - Yurkiさん» ありがとうございます！更新頻度にムラがありますが今後もどうぞ宜しくお願いします(^^) (2020年9月22日 13時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ - この作品すごく面白いですね…!!作品が始まった時から毎日密かに見ていました…この作品奥が深くて読んでいてすごい面白くて楽しいし、個人的にカチコミ組めちゃめちゃ好きなので…もう、ほんと、ありがとうございます…(?)更新頑張ってください!!応援してます!! (2020年9月22日 11時) (レス) id: a71fca1158 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：辰砂 | 作成日時：2020年9月21日 14時
