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ガラゴロと大きなキャリーケースを
引きずりながら紅丸の後ろを歩く
「…紺炉から聞いたが、なんでまたそんな所に行きてェんだ」
『調べ物よ』
「第８が調べたって聞いてんだろ」
『もちろん聞いているけれど…実際に自分の目で見て確かめたいの。第８の調査が雑だとは思わないけれど彼らよりも私の方がプロだわ』
「……………」
ガラゴロと煩いキャリーケースに鬱陶しいと
感じた紅丸はヒョイと幼女から取り上げる
突然持ち上げられたキャリーケースに驚いたが
持ってやる、と目線で言われたので
クスクス笑ってありがとう、案外優しいのねと
礼を言った
「あら、紅丸ちゃん！」
「よお、べにき！良い酒の肴が入ったんだが、今夜うちで一杯どうだい？」
「こんにちは、若旦那！今からうちの店、寄って行かないかしら？」
紅丸が町を歩けばわらわらと集まる町民達
その様子をポカンと見つめて立ち止まる幼女
紅丸にとってはいつもの事なので
適当に相槌を打って町民達を交わすが
人混みに慣れていない彼女は少し戸惑っていた
「あら、可愛いお嬢ちゃん！」
「なんだァ？べにきのファンか？」
適当にあしらわれた町民達の次のターゲットは
紅丸の後ろにいた幼女だった
見かけぬ容姿に整った顔立ちをしている彼女は
あれよアレよと町民達に取り囲まれ
身動きが取れない状態になった
『ファン？違うわよ。私は…』
「綺麗な着物だねェ。親御さんが買ってくれたのかい？」
「ウチの団子食べていきなよ！」
「嬢ちゃんにこの髪飾り似合いそうだな！」
こんなに大勢の大人達に囲まれたのは
何十年ぶりだろうか？
次々と投げかけられる質問に彼女は参っていた
なんとかこの人混みを抜けようと
小さな手を目一杯伸ばした
『っ！？』
すると強い力で引っ張られ
危うく転びそうになる所で足が宙に浮いた
「こいつァ俺の客なんだ」
『………』
「用事が済んだら連れてきてやるから、今は散れ」
まるで子犬を抱えるように幼女を小脇に抱えて
紅丸はスタスタ先を歩いた
「鈍臭ェガキだな」
『…………それは、謝るわ………けど、もう少し別な抱き方って無いかしら？』
「あ？」
『私は子犬や子猫じゃ無いんだけど…』
「煩ェ、文句なら受け付けてねェぞ」
確かに自分で歩くより紅丸に抱えられて
移動した方が早い、のだが…
これじゃあどっちが荷物だか
わからないじゃ無いかと言いたくなる。
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ゆー - アアアアア紺さんと紅ちゃんも来たヨォ最高 (2020年12月3日 22時) (
レス) id: a1e8810d71 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます(^^)楽しんで頂けて幸いです！このご時世ですからね…今の所体調不良は無いですが私のペースで更新しますので何卒宜しくお願いします (2020年9月9日 16時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - とても雰囲気が好きです！前作に引き続き、楽しませてもらってます。こんな世の中なので健康に気をつかいつつ、更新頑張ってください！ (2020年9月8日 23時) (レス) id: 23cfa4baa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：辰砂 | 作成日時：2020年8月31日 13時
